斬新なApple製品には「しばらく使ってみないと真価がわからない」ことが多々ある。

今現在、その最たるものはAppleTVじゃないだろうか。

「PS3やXboxがあれば必要ない」とか「720pなんて低画質じゃ見てらんないよ」なんていう批評も聞くが、僕は今こそ家族を愛するあなたにAppleTVをオススメする。

その5つの理由はこれ。


理由その1「日常に写真があふれだす」
AppleTVを使いはじめてから、とにかく写真に触れる機会が格段に増えた。

デジタル写真の悪いところは「コンピュータやデバイスで観ることが基本」になってしまうことだが、AppleTVはそれを解消してくれる。

書斎の iMac で独りで眺めていた写真をリビングで家族と愉しむようになる。

スクリーンセーバを使えば音楽を流している間にもCOOLなエフェクトでスライドショーが流れるので、日常的に写真に触れるようになる。プリントしてアルバムに入れておくよりもずっとずっと。

そしてテレビで写真を眺めるのが日常になると(自分の撮影した写真が人目にさらされるようになると)、無駄な写真(同じような被写体とアングルの複数写真など)が邪魔になるのでiPhotoLibrary内の写真もきちんと整理するようになり、厳選された写真が残るようになるし、写真自体を真摯にとらえるようになるので必然的に撮影の腕も上がって素敵な写真が増えたりもする。

理由その2「リビングにYouTubeがやってくる」
YouTubeをリビングの大画面テレビで観ることができるというのは、地味に見えてAppleTVの最大の利点の1つじゃないだろうか。

僕はヒマなときに動画を検索してお気に入りやプレイリストに放りこんだりチャンネル登録しておいて、リラックスの時間にリビングで観るようにしている。

好きなミュージシャンの曲をリストにしてミュージックビデオを延々と流したり、子どもとサッカー動画を観て愉しんだり、ラジオ体操やフィットネス、ギターやウクレレのプレイ動画、Objective-Cのチュートリアル動画、あるいはスタンフォード大学の講義でiPhoneアプリ開発の勉強をしたり。

YouTubeがリビングのテレビに映るだけでこうも違うのか!と思わせる破壊力がたしかにある。

理由その3「NO MUSIC, NO LIFE」
僕が日常においてもっとも利用するのはやはり「音楽鑑賞」だ。

朝起きてリビングに入ったとき、外出から帰ったとき、食事をするとき、AppleTVで音楽を流す。

iPodを専用スピーカーにdockしたりステレオで聴けばいいじゃないか、と思うかもしれないけれど、リビングにはテレビという家電の王様が鎮座していて、特に子どもがいる家庭ではなかなか音楽プレーヤーを主役に置くのは難しい。
AppleTVならば、過去半年分の写真なんかをスライドショーにしておけば、子どもたちも写真を眺めながら音楽を愉しむことができる。

理由その4「映画三昧」
写真と同様にAppleTVのおかげで日常的になったのが「動画鑑賞」だ。

映画のオンラインレンタルは二回くらいしか利用したことはないが、それよりも今までに集めたDVDコレクションやホームビデオをすべてmp4に変換してiTunesに放りこんである。気がつけば僕の映画コレクションと子どもたちのアニメ映画は200本を超え、ホームビデオも莫大な量になってしまった。

そんな大量になってしまったコレクションも、AppleTVがあれば日常的に観賞するようになる。

以前はDVDも買ったら観るのを忘れてお蔵入り、あるいはホームビデオも撮るだけ撮って観るのが面倒だから放置、なんてことが多かったが、今はあますことなく存分に楽しむことができている。

また友人たちが集まったときにホームビデオをBGMとして流しておくととても盛りあがるし、映画を流しておけばリビングがCOOLなクラブのようになる。

オンラインレンタルはしないが、作品のプレビューを観るのは楽しい。現在アメリカで上映されている作品の予告を観られるのも、元映画少年にはたまらない。

理由その5「とにかく手軽」
AppleTVの機能自体はとくに真新しいものではなく、PS3やXbox、最新型のテレビがあれば同じようなことやそれ以上のことだってできるのだけれど、AppleTVの最大の利点はとにかく手軽だということだ。

Apple製品に共通して言えることだが、操作がシンプルで手軽故に、使う頻度がとても高くなる。

価格は一万円以下で、HDMIケーブルで繋いだらすぐ使えて、驚くべき省エネ性を兼ねている。購入から導入、日常での使用まですべてがシンプルで手軽なのだ。

また長年iPhotoやiTunesで写真や音楽を管理してきた人にとっては、リビングでそれらをこうも簡単に扱えるというだけで、優れた製品と言えよう。

僕はふつうのテレビ番組をほとんど観なくなった。BRAVIAのHDDに毎週録画しているサッカー番組といくつかの番組くらい。あとはすべてAppleTVを使っている。

我が家のテレビはAppleTVを導入してから、まったく別の電化製品にトランスフォームしてしまったと言っていい。

まとめ
AppleTVを導入していちばん変わったのは、家族との時間だ。

以前は夕食を終えると皆がバラバラなことをしていたのに、今は家族全員揃ってソファに腰かけることが多くなった。夏のキャンプの写真を眺めたり、週末に海で遊んだときのビデオを観て笑いころげたり、サッカーのスーパープレイを観て興奮したり、大人も一緒になってPIXARの映画を観たり。

iPadなどのデジタルデバイスの普及によって趣味や娯楽がより個人的になっていくなかで、AppleTVはリビングにふたたび家族を集める求心力を持っている。

昨年は日本でもfacebookが大流行し、僕もたくさんの旧友たちと再会した。何度か実際に会ったりもして、長い時を経て交流が復活した友人が何人もいる。

こういう最先端のITサービスやAppleTVのようなデジタルプロダクツのおかげで、人々が自分の部屋を出て実際に繋がっていく様を見ると、やはりテクノロジーは世界を変えうるのだなあ、などと感傷が降りてくる。

AppleTVの後継とされるiTVに、ジョブズは何を見ていたのだろうか。

※iPad2やiPhone4sでの無線LAN経由でのミラーリングに加えて、次期OS MountainLion ではMacからのミラーリングもできるようですね。待ち遠しい!

参考サイト
AppleTV
新しいApple TVが圧倒的に優れている理由
AppleTVのAirPlayは据え置き型ゲーム機の牙城を脅かすか