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ボブ・マーリーは貧しかった子どもの頃、空き缶でギターを手作りして弾いていたという。

世界にはあきれるほど高価な楽器もあるけれど、ジャマイカのつきぬけるような青空の下では、ボブの空き缶ギターの音色のほうが、切なくていい音を響かせてくれそうな気がする。

そんな、ただ純粋に音楽を楽しみたい、という人々の想いは、我が国沖縄にもあった。

沖縄の民族楽器である三線は、琉球王国時代に中国の弦楽器が変化して生まれたものだ。いかにも沖縄らしい音色と蛇皮の東洋的な外観を思いだす人も多いだろう。

第二次世界大戦前には、子どもたちがヤシの木や空き缶を使っておもちゃの三線を作って遊んでいたという。

そして戦後、あらゆるものが焼きはらわれた沖縄の捕虜収容所で、米軍の野戦用ベッドの廃材や軍から支給されるコンビーフなどの空き缶、パラシュートのヒモなどを使って作られたのが、いわゆる「カンカラ三線」である。

___『カンカラ三線 | 三線工房まちだ屋』より

2013沖縄
2013沖縄 / sun_summer
 

ボブと同じように、貧しかった子どもたちが音を楽しみたくて自分でこしらえたカンカラ三線。激戦地だった沖縄の捕虜収容所で、絶望のなかのひとすじの光となったカンカラ三線。

そんな歴史的背景をのぞいても、その素朴で切ない音色と、微笑ましいまでにシンプルな造形は、忙しない現代に生きる僕らを魅了する。

沖縄の多くの小学校では、平和学習としてカンカラ三線を制作する授業があるという。単純な構造で、フレットのない撥弦楽器だということもあり、手作りでもきちんとした音を楽しめるに違いない。作って楽しみ、歴史を学び、弾いて楽しみ、郷土を知るとは、なんとも素晴らしい学習ではないか。

そんなカンカラ三線が、今はネットで手軽に手に入る。手作りキットがあるので、制作から楽しむこともできる。材料費が安く、リーズナブルに購入できるのも魅力だ。Amazonでも数日で関東へ配送してくれるので、興味がある人は試してみてほしい。

じつは先日注文して、すでに僕の手元にはカンカラ三線が届いている。

次回は、はじめて触れるカンカラ三線の雑感を紹介しようと思う。新しい楽器は、いつも僕の心を躍らせる。

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