引っ越したら絶対に買おうと思ってたのが、このスピーカーなんですよ。アラフォーのAppleファンなら見たことあるでしょ、通称クラゲスピーカー。
記憶が定かじゃないけど、たぶん十五年以上前だよね、iMac G4あたりのトランスルーセント(半透明)シリーズの時代に初代が出たんじゃないかな。G4ってあの大福とかsunflower(ひまわり)とか呼ばれたカワイイデザインのiMacでさ、アッカンベーするCMとかあったでしょ。あれに標準で付いてた小さなスピーカーがharman/kardon製じゃなかったっけ?
だもんで、引っ越したらっていうか、若い頃からずっと欲しいなあって思いながらも、そのうち見かけなくなっちゃってたクラゲちゃんなんだけど、最近またネットで見つけたら、Bluetoothで聴ける新しいモデルが出てるし、思ったよりリーズナブルじゃないの!ってことで、ようやっと手に入れたよ。
まあまずこの外箱が偉いね。このパッケージ・デザイン見ただけで俺なんて二十数年の憧憬の重みを感じてくらくらしちゃうんだけど、届けてくれたクロネコのおじさんがひょひょいっと軽々持ち上げるもんだからさ、いやいやもうちょっと丁重に扱ってよ!なんて言いそうになっちゃったよ。もちろん言わないよそんなこと、いつもありがとうございますAmazon大変ですねでも便利なんで引きつづきよろしくお願いしますねお茶でもいかがですか、だよ。
外箱を眺めること数分。スピーカーだからただ見てるだけじゃしょうがないんだけど、カッコいいねえこれ!斜めからもカッコよく見えるようにデザインしてるんだね、また捨てられないくらいクールな外箱が増えちゃってまったく迷惑な話だよ。
さあ、出ましたよクラゲちゃん。写真が青みがかって見えるのは、俺が好きなRICOH GRのクロスプロセスっていうエフェクト使ってるからなので、脳内で色調補正してちょうだいね。
はい、これが実際の色味だよ。クリアだねそれにしても。寺沢武一の「コブラ」に出てくるクリスタル・ボーイを思い出すね。それにしてもコブラって今読んでも絵面だけじゃなく脚本とかもまったく遜色ないというか、カッコいいものはカッコいいよ、いつまでも。
ちなみにサウンドスティックという名の通り、両端の2本のスティックがメインのスピーカーで、真ん中のドデカいクラゲちゃんが低音域担当のサブウーファー。
ロゴのフォントがシンプルでよし。細すぎず太すぎず。
うん、どこから見ても美しい。美しいし、やっぱちょっとイッちゃっててクールなデザイン。ニューヨーク近代美術館/MOMAにパーマネントコレクション(永久収蔵品)として展示されてるだけはありますよ。 Harman/kardon(ハーマン・カードン)ってのは、アメリカのオーディオメーカーで、BMWとかメルセデス、ランドローバーなんかの高級車のカーオーディオとか作ってるんですよ。
愛機iMac 27inchに設置。時代の違うプロダクトなので統一性は微妙かと思ったけど、けっこういいじゃない!うん、俺の求めていたのはこれだ。
後部コネクタ部分。奥から順に電源ケーブル、左右のスピーカーユニット入力、3.5mmステレオミニプラグ入力。
最新モデルだけあってBluetooth接続もできるけど、俺はiMacで使うので付属のステレオミニプラグで接続。裏側はこんな感じでややスパゲティ・インシデントしてるけど、こういうのもいいんじゃない?
ちなみに電源入れたらそのまんまiPhoneのBluetoothに「SoundSticks Wireless」って表示されるからワイヤレス接続も一瞬だよ。
この黒いスイッチを押し込むと電源が入る。左右に回せばウーファー(低音)の調整ができるようになってる。
電源を入れるとLEDランプが点灯して、よりスタイリッシュに。過去のシリーズではブルーに光ってクールだったけど、ちょっとサイバーすぎる感があったので、白のほうが品があるかもね。
これ最初気づかなかったんだけど、全体的にシュッとカッコいいデザインなのに、スティック足元の黒い浮き輪みたいなのだけがなんか野暮ったくない?
と思ったら、黒浮き輪の部分はくるっと後ろに回って、スティックの角度調整ができるようになってるんだ。
なるほどこれなら前から見てもいい感じ。
角度をつけることで、音の響きが微妙に変わる。
音はね、いいですよ。思ってたよりずっといい。
クラゲちゃんの存在感が大きいのでスティックが貧相に見えるけど、150mm径ウーファーユニットのクラゲちゃんに対して、スティックのほうだって25mm径のスピーカーユニットが左右合わせて8つの200mm径相当だから、もちろんメインとしてちゃんと鳴ってくれます。
今までiMacのスピーカーで聴いていたような俺だから、細かいところはあんま気にしないんだけど(音質はヘッドホンに求めるので。詳しくは☞ 耳を鍛えなくても音楽を解釈できる一生モノのイヤホン:SONY MDR-EX1000レビュー)、晴れた日曜日の昼下がりに大西順子のピアノなんか聴いてたらうっとりしちゃう。オーディオマニアが選ぶような一品じゃないけど、個人が音楽に入り込むには十分すぎる感がある。かつて排気量を公表していなかったロールスロイスが答えたように “enough” な音色だね。
あとやっぱウーファーって気持ちいいね。重低音ってズンドコズンドコ品のないイメージだったけど、ジャズの鈍いウッドベースの音とか、SPEECHみたいなオーガニックなヒップホップの低音域がすんごく楽しいよ。誰かが「岡村ちゃんを聴くと楽しい」って書いてたから試しに聴いてみたんだけど、たしかに今まで聴いていたよりいろんな音がどーんと出てきて楽しいわ。
あとはやっぱ映画ね。ホームシアターなんかでやる5.1chほどじゃなくても、ステレオスピーカー(スティック)×2とサブウーファーの2.1chになるだけで、映画の迫力と臨場感がぜんぜん違うんだね。書斎にプロジェクター入れてホームシアターにしようとか考えてたんだけど、iMacの27インチでもこの音なら十分に感じちゃったよこれ。「AKIRA」の冒頭のドーン!ドーン!ってところで鼓膜も胸も震えるぜ!
あと、ネット見てたらね、クラゲちゃんの内部って空洞になってて、上が開いてるんだけど、ここからホコリとかハエとかが入っちゃうと、分解も掃除もできないんだってよ。そうなったらせっかくのスタイリッシュな外観が台無しなんで、上に布とかアクリルボールとか置いちゃうって言うんで、俺も50mmの水晶玉を置いてみた(Amazonのほしいものリストからこの水晶玉を贈ってくれた方、お名前がなかったのでご連絡くださいな)。
うん、これならそれほど外観を損なわないしいいね!……と思ったんだけど、やっぱりね、ウーファーだから、ここふさいじゃうとちょっと音がこもるんだよね。ということで今のところは、使わないときだけフタ代わりに置くことにしているよ。多少は違うんじゃないかな。
まあ、説明するまでもなく、至高の音質のみを求める人が買うようなモノじゃないです。こんまりちゃんじゃないけど、ときめくモノに囲まれて毎日ウキウキしたいってのに最適なスピーカーだよねこれは。
朝書斎に入ったとき、音楽を聴きながら、窓から降りそそぐ日の光をぐるんと丸く反射するそのシルエットが目に入ったり、夜ウイスキーなんか飲みながらぼんやりと光るLEDを眺めてると、うひひひひってな気分になるもんね。至高のイヤホン買ったときもそうだったけど、音質が上がると、今まで聴いていた音楽の質がぐいっと上がり、ひいては生活そのもののクオリティがぐぐぐいっと上がる気がしちゃうんだよね。たまらんね。
Harman/kardonのもうちょいモダンなモデルだと、こんなのがあるみたい。俺にはちょっとフューチャー感が強すぎる感じだけど、エレガントな部屋にはいいんじゃない。
こういうシンプルなモデルなら、部屋のスタイリングを選ばないかもね。あ、これはバッテリー内蔵だからモバイルでどこでもカッコいいじゃん。
てーことで、コンパクトなスピーカーが隆盛の昨今だからこそ、こんな無駄にカッコイイスピーカーで、音楽って日常を彩ってくれるんだなあ素敵〜ってなるのもどうでしょう?
Comments by 茅ヶ崎の竜さん
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