過日、五日間かけてオートバイで独り旅へ出てきた。
いい歳して自分探しを目的とした物思う旅だったので、考えたことをまとめるためにA5サイズのノートを一冊持っていった。日常ではありえない、独りですごす落ちついた時間に、とっちらかった思考をまとめて書きとめておきたかったのだ。
けれど実際には、長文を書くために持っていったA5ノートよりも、ウェストポーチに入っていた小さなメモ帳『RHODIA(ロディア)』のほうが、何かと書きやすくて、思いの丈をたくさん書きこんで帰ってきた。
独り旅ではなるべくのんびりとした時間をすごして、混沌とした脳内を落ちつかせたかった。だけどいざ大自然の中に独りで身をおいてみると、ノートを目の前にして長文を書くほどそんなにまとまった時間なんてない。
最初の数日は、寝る前にテントで日記じみた記録を書いたりもしたが、長くはつづかなかった。
それよりも、シングルバーナーでお湯を沸かしてコーヒーを煎れているときや、本栖湖の湖畔をぼんやり歩いているとき、暗い森の中で闇を見つめながらバーボンをあおっているときにこそ、思考やアイデアが形となって、どこかに書きとめたくなるのだ。
そんなときに、さっと取り出してメモすることができるロディアはとても役に立った。
ロディアが便利なのは、そのコンパクトなサイズゆえに、いつでもどこでも携帯できることと、一枚一枚切り離せるようにミシン線が入っているので、書きなぐったメモを後でまとめるときに便利だというところだ。
ただシンプルに頭に浮かんだ感想や、将来のためのアイデア、気になったことを、何も考えずにロディアに書きなぐる。家に帰ったら、なるべく早く(メモに付随した記憶が薄れないうちに)そのメモを整理していく。
ロディアのおかげで、すでに忘れかけていた感慨やアイデア、気づきが、今日こうしてきちんとまとめられて、今後具体的に行動に移すべきTo Doや、ブログ記事として形になっている。
今までモレスキンやiPhoneの様々なメモアプリを使ってきたが、僕にはロディアが合っているのかもしれない。と言いつつ、先日トラベラーズノートを購入してしまったのだが、それはまた別のお話。