女の子の手も握ったことのなかった中学生の頃、僕の心の恋人はマンガの中にいました。

当時は、マンガの登場人物にすぎない架空のヒロインに本気で恋をして、切なさに胸を痛めたことすらありました。

大人になった今でも、僕ら永遠の男の子の胸を焦がす、魅惑のマンガヒロインたちを紹介します。

本当に胸を焦がして恋をしてしまったマンガヒロイン5人

音無響子(めぞん一刻)

管理人さんは永遠のヒロインです。若い頃は彼女の天真爛漫さに惹かれるよりも、五代くんに感情移入してヤキモキしていましたが、今読んでもいい年して胸にきゅんと迫るものがあります。

人のいい大学生・五代くんが住むオンボロアパート「一刻館」にやってきた新しい管理人・響子さんは、亡き夫への操を守る若く美しい未亡人。アクの強いアパートの住人や恋敵・三鷹たちと繰り広げるドタバタの中で、ゆっくり愛を育んでいく二人。基本はコメディなんですが、時折見せる人々の真摯な表情や想いがぐっと心を熱くします。

泣いたりすねたり笑ったりところころ表情を変えながら、古き良きを大切にする響子さんのような女性は、多くの日本人男性にとって理想の女性像なんじゃないでしょうか。響子さん鈍くて隙だらけですし(笑)。

五代くんがプロポーズするシーンは、今読み返しても鳥肌が立ちます。

五代「泣かせるようなことは絶対しません。残りの人生をおれに、ください」

響子「ひとつだけ、約束守って」「お願い、一日でいいから、あたしより長生きして」「もう一人じゃ生きていけそうにないから……」

鮎川まどか(きまぐれオレンジロード)

初恋の人は鮎川です。少年ジャンプに連載中はホレたハレたもわからない小学生のガキでしたが、それでも胸の奥になにやら熱い気持ちを感じたものです。

超能力一家に育った春日くんが、明るく可愛らしいひかるちゃんと、クールで大人な鮎川との三角関係の中で、ふらふらドキドキするラブコメマンガ。

優柔不断なダメ男なのに、超能力は使えるし女の子にはもてるしで、うらやましすぎて鼻水たらしながらクラクラしていたのを憶えています。

バレンタインに素直にチョコレートを渡せない鮎川が、バイト先の喫茶店でメニューにないホットチョコレートを出すシーンが甘すぎて好きです。

朝倉南(タッチ)

響子さんが二十歳以上の永遠のヒロインならば、学生ヒロイン日本代表は南ちゃんしかいないでしょう。

双子の高校生である達也・和也と幼なじみの南ちゃんの三角関係を描きながら、甲子園を目指す青春マンガの金字塔。長澤まさみちゃん主演で実写映画化もされています。

和也がいなくなってからは、達也との関係は盤石で、恋愛ドラマにドキドキする展開はあまりないのですけれども、あだち先生の描くクールな高校生たちですから、なかなかくっつかずにヤキモキさせてくれます。

幼なじみだった頃からトータルで見ると、和也ってホント損な役回りでかわいそうなんですけど。

氷山一角(りびんぐゲーム)

中学生の頃の心の恋人は「りびんぐゲーム」の氷山一角(ひやまいずみ)ちゃん。

バブル期の住宅事情という特殊なテーマを扱いながら、主人公の不和雷蔵(ふわらいぞう)とくっついたりはなれたりして、しっかりドキドキさせてくれる、地味ながら一部では人気のラブコメ作品。

若くてかわいくて小っちゃくて(それなのにスタイルは抜群で)大酒飲みでいじらしい、という、なんかこうやって書き出すと「男ってバカね」って自分でも思ってしまうような “ほぼ完璧” な美少女に、中高一貫の全寮制男子校で悶々としていたのが僕です。

原多香子(ハクバノ王子サマ)

タカコさまこと原先生の魅力は、やはり年上ならではの妖艶な美しさと内なる少女性。というか大人の女性だって心の中はいつまでも白馬の王子様を待っている乙女ですものね。

綺麗なのに出会いがないせいで結婚できない女性と若き新米教師のくっついたりはなれたりが物語のメイン。舞台が湘南なので個人的にはより楽しめました。二人が教師を務める高校が小田原で、主人公が茅ヶ崎に住んでて、タカコさまと藤沢のわりと有名な居酒屋に入ったり、海辺のデニーズで飲んだり。

朔ユキ蔵先生は、この作品以前にはウフン♡なマンガ描いてますからね、そういうシーンもあったりなかったり。わりと大人向けかもしれません。

優香主演でドラマ化もされてますので、よかったら楽しんでください。