先日参加した東京初の本格的野外フェス「豊洲野音カーニバル」。
どのミュージシャンもライブで見るのは初めてだったので、メチャクチャエキサイトして、メチャクチャ感動しました!
豊洲の春の青空に溶けていった音楽はどれもステキすぎるほどにステキでしたが、僕個人が感動したミュージシャンをまとめてみました。というか、もう感じたままの率直な感想文です。
第5位「SOIL & “PIMP” SESSIONS」
国内外の音楽フェスで活躍する、爆音のハードコア・ジャズバンド。
しょっぱなウルサイ系の曲でガンガンこられたので、ちょっと引いたけど、だんだんジャジーでスムージーでマイルドな曲が出てくると、なるほどかなりカッコイイ!
ちゃんと実力あるバンドが、フェスで盛り上げちゃうよーっていう楽しさが伝わってきた。
ラッパよりピアノが目立つ曲の方がぐっとくるね。静かに音源聞いてみたい。
椎名林檎やBONNIE PINK、一青窈とかMIYAVIとかともコラボしてるんだってー。
第4位「クラムボン」
トリをつとめたクラムボンは、さすがの透き通る声と馴染みのあるメロディに、夜の東京の雰囲気が重なって、ゾクゾクするライブでした!
ただその前のエゴ・ラッピンらへんが、あまりにもフェスにハマッてるというか、野外フェスならではの空気を作っていたので、個人的にはクラムボンでちょっと気持ちが落ちついてしまったというか、しぼんだというか。
ああいう場所であらためて聞くと、CDが売れるアーティストと場を作るアーティストはやっぱり違うんだなあと実感。
その両方を兼ね備えたクラムボンはスゴイんだけど、フェスよりのエゴ・ラッピンとか渋さ知らズの方が、心には強く刺さりました。
第3位「EGO-WRAPPIN’ AND THE GOSSIP JAXX」
エゴ・ラッピンから、お客さんの姿勢が一変した、というか、さっきまでノホホンとしていた会場の空気が、すこしピリッと引き締まった気がしました。
音出しが始まったあたりからステージに人が集まるんだけど、その密度がやたらと濃い。まだスペースがあるのに、みんなぎゅうぎゅうになってステージ押しよせてる。みんなわかってる。生のエゴ・ラッピンはスゴイってことを。
今思い出しても鳥肌が立つくらいに、エゴ・ラッピンは圧倒的でした。
その楽曲、ボーカル、ステージを走りまわる躍動感と、お茶目でカワイイMC。ちょうど陽が落ちはじめてマジックアワーを迎えつつあるのもあったけど、長いあいだ忘れられないであろう興奮と喜びを味わうことができました。
すこし涼しい風が吹いてくる中、アコギ一本で唄ったラストも良かったなあ。ああ余韻。
第2位「渋さ知らズオーケストラ」
記念すべき第1回の豊洲野音カーニバルのアタマを張った「渋さ知らズオーケストラ」は、圧倒的に渋すぎました!ぜんぜん渋さ知らずじゃない!
不破大輔率いるビッグ・ジャズ・バンドは、もうアタマっから全開でカッコイイ!
なんかステージの真ん中で煙草プカプカ吸いながら、おっさんが(一見)テキトーに指揮してるんだけど、ダンサーもミュージシャンもオーディエンスも、みんな引っくるめてとてつもないグルーヴを生みだしてる。グルーヴって何よ?グルーヴって渋さ知らズよ!って感じ←わけわからん。
エゴ・ラッピンもそうとう圧倒的だったんだけど、まあもともと好きだったし、衝撃という意味では、渋さ知らズにやられました!
うーん、音楽も良かったけど、やっぱりあの不破大輔という人や他のメンバーの演奏中の佇まいやその表情、存在感なんかに、ぐっと惹きつけられた気もするなあ。
第1位「チャラン・ポ・ランタンと愉快なカンカンバルカン」
ボーカルのももちゃんとアコーディオンの小春の二人姉妹による、サーカスみたいな世界観のジャジーで昭和歌謡で不思議なオルタナティブ・シャンソンバンド。
まず、ももちゃんのボーカル!小さな身体からは想像もつかない腹に響く低音と、美空ひばりを彷彿とさせるコブシまわしに、一発で持ってかれましたよ!この若くはないが熱いハートを!
そして小春の成熟しきったアコーディオンの音色!アコーディオンてこんなにすげー楽器だったんかー!って驚きます。
小春はMCもすごくうまくて(今ググったら、新宿ゴールデン街のシャンソンバーで日替わりママをやっているだって!)、僕ら観客もぐいぐい引きこまれるんだけど、そんな軽快なトークに続いて、ももちゃんの圧倒的なボーカルと小春のアコーディオン、そしてサーカスのような不思議な世界観でもってドカーン!とやられるもんだから、もうおっさんは息も絶え絶え……。
ていうかまあ、音楽もさることながら、やっぱり世界観ですかね、響いてくるのは。
ミュージシャンが楽しんでるバンドはカッコイイ!
渋さ知らズは、音楽が純粋にカッコイイ!ということを教えてくれました。テレビやCD向けじゃないかもしれないけど、カッコイイホンモノ!って感じの、渋すぎるバンド。
エゴ・ラッピンは、まさに迸る才能と、それを開花させるとこんなにもクールな音楽が生まれて、みんながハッピーになる喜びの瞬間があるということを、肌で実感させてくれました。
圧倒的な才能と素養は、ライブのグルーヴ感と売れセンの壁を突破するのだなあ、と、エゴ・ラッピンを聴きながらそればかり考えていました。
クラムボンがスゴイのは、そのちょうど中間からやや売れセン寄りのところで、人々の心を打ち続けている。正直あのフェス会場では、ちょっと物足りない気がしたんだけど、なんというかやっぱりホンモノではある。
チャランポは、なんかそういうベクトルとはまた違うところにいるというか、また別に書きます。
CDが売れるミュージシャンと、生でシビれるミュージシャン
「売れるミュージシャンと、実力のあるミュージシャンは違う」
とかよく言うけど、でも結局は売れたもん勝ちでしょ?って思ってました、正直。
でも今回、1つのステージで様々なミュージシャンを一同に目の当たりにしてみて、やっぱり両者は違うんだなあと思いました。
売れたからって優れてるわけじゃないし、売れてないからってダメなわけじゃない。たくさんの人に響くタイプの音楽か、そうじゃないか。CDで聴いて感動する音楽か、生じゃないと伝わらない音楽か。
評価する要素はいろいろあるのに、メジャーかインディーズか、売れるか売れないかでしか、けっきょく判断できないというのは、なんか寂しいですねえ。すごく今さらなこと言ってますけど(笑)。
長くなったので今日はこのへんで。
ワンデイフェスだと、出演バンドもそこまで多くないし、こうやってふり返りやすいのもいいですね。
豊洲野音、すげーいいぜ。