過日、ある友人に「運動してる?」と訊いてみたんです。
「ぜんぜん。ただ毎日一万歩は歩くようにしてる。ただ歩くだけなのは嫌いだから、図書館行ったり、出かけるときに一駅歩いたり」
至極ふつうの答えだったんだけど、僕は「そっか、その手があったか!」と膝を叩いていました。
で、今日。
こんなくそ暑いのに走ったら死んじゃいそうだし、波はないし(しかもまだ茅ヶ崎沖にはサメがいるらしいし)、でも海さんぽもなんかつまんないんだよな〜、と思っていたら、ふと友人の言葉を思い出して、図書館まで歩いてみることにしました。
いつも海沿いの気持ちのいいサイクリングロードを歩いているので、車もそれなりに通る茅ヶ崎の狭い路地を歩くのはつまんないかなと思ったんだけど、いやいやこれがなかなか楽しい。
知らない和菓子屋さんを見つけたり、素敵な家を眺めたり、もう10年も住んでいるのに、新しい発見ばかり。そこで僕は思うわけです。
「ああ、世の中はもっとずっと広いんだなあ。僕は何をしてもいいんだなあ」って。
つまり僕はこれまで、「さんぽ道」すら自由に選べずに生きてきたんです。
ある日自分で、「走ったり歩いたりするのは海沿いのサイクリングロード」と決めてしまったら、もうそれしか選べないロボットのようになって、他へ行けないんです。
僕はまだ「心が開いて」、自分が本当は「何も縛られずに自由である」ということに気づいてから日が浅いので、まだまだこういうことがあります。
自分の「マイルール」にがんじがらめで「自由じゃなかった」頃の考え方が、たまにひょっこり顔を出すんです。
でも、それに気づくのはとても楽しいです。
僕は、どこを歩いたっていいわけです。
そもそも、べつに毎日運動しなくたっていいんです。
人にやさしくしなくたっていいんです。
必ずあいさつをしなくたっていいんです。
節約しなくたっていいんです。
結婚しなくたって、禁煙しなくたって、借金したって、人を裏切ったって、正しく生きなくたっていい。
僕らは、自由なんです。
ときには、自分を律したルールを破りましょうよ。自分らしい生き方をはじめませんか。なんてな。
ところで、図書館には読みたい本がいろいろあって、またウヒョヒョヒョヒョーイ!とテンションが上がってしまったんだけど、
これだけたくさんの本が無料で読めてしまうんだ!
と思ったら、つまり、自分が図書館に来れば、これだけの本が「ある」と思ったら、逆に「今日はいいや」と思って、一冊も借りずに帰ってきちゃった。
だってよく考えたら、家の書斎やKindleには、まだ読みかけの素敵な本がたくさん入っているんだもの。
小説も専門書も、楽しいのも勉強になるのも、図書館にも「ある」し、家にもこんなにたくさん「ある」んだ、と思ったら、なんだか俄然楽しくなっちゃって、スキップしそうな勢いで帰ってきましたよ。
いやいやランニングをしたり、海辺をさんぽしたりすると、その後モチベーションが下がることが多いんだけど、今日は帰ってシャワーも浴びずに、すぐに勉強に取りかかりました。
楽しいから、本の内容がどんどん頭に入ってくる。
昨日までは「勉強するべき本がまだこんなにある」と思ってたのに、今日は「こんなにたくさんのことを勉強できる!」と喜んでる僕がいる。
ただ海辺のウォーキングをやめて、図書館までさんぽしただけなのに、
自分は自由なんだって勝手に気づいて、
勝手に楽しくなってるハッピー野郎でした。
人生こんなんこんなん♫
▶連絡先:りゅう