ピクサー長編アニメ20周年記念作品『インサイド・ヘッド』を、子どもたちと見てきました。
僕にとっては、とても大きな意味を持つ作品になったので、これから何度も関連記事を書くことになると予感しているんだけど、とりあえず鑑賞直後の率直な感想を書いておきます。ネタバレはないはず。
子どもたちには、ちょっとムズカシイ?
5年生と1年生の小学生の娘2人を連れて見にいったんだけど、ぶっちゃけ下の子は意味がほとんどわからなかったようです。
上の子も物語は理解したものの、こころに迫るまでには至らず、「ベイマックスのほうがずっとよかった」とのこと。
もちろん子どもたちにも楽しめるんだけど、テーマを理解するのはちょっとムズカシイかもしれません。
たぶんね、大人だって、人によってはきちんと理解できないかもしれない。
後で詳しく書くけど、NLP(神経言語プログラミング)などの実践心理学や、心屋仁之助さんのお話に通ずる部分がテーマなんです。
そういう意味では『トイ・ストーリー』や『Mr.インクレディブル』とは、やはり一線を画した作品です。
これは本当にもう本当に、あなたの物語です。
キャッチコピーは
「もっと自分が好きになる。これは、あなたの物語。」
ですが、これはもう本当に、まぎれもなく僕やあなた、彼や彼女、すべての人間の物語です。
むしろ、主人公の少女・ライリーの物語だけを追っても、もしかしたらこころに迫るものはないかもしれません。
他の誰でもない、あなた自身の幼少期の体験、それに導き出された性格、その後の生き方、そして「今現在の自分自身の姿」というものを、作品を見ながら想像することで、この作品のメッセージがガツンと入ってくるでしょう。
ライリーはああいう結果になったけれど、あなたはどうでしょうか?
幼少期に体験した傷を、じつはまだ背負っていませんか?
あるいは、自分でも気づかないうちに、無理やり忘れて、潜在意識の奥の方に閉じこめてはいないでしょうか?
まあそこは無意識下の話なので、気づけないんですがね。
よくわからない「潜在意識」をビジュアル化して見せてくれる。
そういう、自分では気がつけない「無意識下の」思いこみや縛り、トラウマといったものの存在を、この作品はとてもわかりやすくビジュアル化して見せてくれます。
僕がいろんな人に「心の在り方」を説明する際に話す、「無意識に閉じこめている嫌な記憶」や「なかったことにして無理やり忘れている体験」が、本当に存在するのだ、ということを、自然な物語の中で教えてくれます。
NLP(神経言語プログラミング)などの実践心理学が説明する、体験から性格が形成されていく過程が、わかりやすく描かれているので、「大人になっても幼少期の何かに縛られている」ということを、理解しやすくなるでしょう。
個人的には、このタイムリーな時期に、大好きなピクサーがこの映画を作ってくれたことは、僕にとって最高の贈りものになりました。
ストーリー
いつでも笑っていたいのに、なぜカナシミは必要なの?
11才の女の子、ライリーの頭の中に存在する5つの感情たち—ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミ。
彼らは、ライリーを幸せにするために奮闘の日々。だが、ライリーを悲しませることしかできないカナシミの役割だけは、大きな謎に包まれていた…。そんなある日、見知らぬ街への引っ越しをきっかけに不安定になったライリーの心が、感情たちにも大事件を巻き起こす。頭の中の“司令部”からヨロコビとカナシミが放り出され、ライリーは2つの感情を失ってしまったのだ!
このままでは、ライリーの心が壊れてしまう!
果たして感情たちは、ライリーの危機を救うことができるのだろうか? そして、カナシミに隠された、驚くべき<秘密>とは…?
大人の皆さんにこそ見てほしい作品です。でも同時に、すべては理解できなくても、小さい子どもにも思春期の少年少女にも見てほしい。
自分の頭の中がどうなっているのか、感情とはどのように動いているのか、どうして苦しかったり哀しかったりするのか、そういうことが、楽しいキャラクターによって描かれてるのは、きっと強い記憶として残って、いつか納得して頷く日がくるかもしれません。
家に帰ってから、わからないところをお子さんに説明してあげるといいと思います。そしたら、自分自身も理解が増しますから。ピクサーよ、ありがとう。