それでもぼくはkindle paperwhiteを使いつづける。

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しばらくインターネットから距離を置いて、本をたくさん読むことにしたんです。ネットに流れる最先端の情報の濁流に身を投げるのはしんどい気がしたし、亡くなった父の書棚に並ぶ膨大な数の本を眺めて、僕にはまだまだ読むべき本がたくさんあったのだと思い出したから。世の中の時流と関係のないところで、自分のペースで、読みたい本を、一冊ずつじっくり読んでいこうと決めたんです。

そんなことを何気なく話していたら、旧い友人が電子書籍リーダー『kindle paperwhite』をプレゼントしてくれました。僕は2013年から同製品を愛用しているのだけど、最新のモデルは解像度やレスポンスが改善されているし、デバイスを新調することで気持ちも新たにしたらどうか、という粋な計らいで、シックなブラウンの純正レザーカバーとセットで贈ってもらいました。彼に「ありがとう」以外に気の利いた言葉を届けたいんだけど、今のところ思い浮かばないので、せめてもの返礼に誠心誠意を込めたレビューを書かせてもらいます。おっとまだ礼も言ってなかったかな……本当に、ありがとうね。

kindle paper white 2016 (7th generation)

今まで使っていたkindleのブラックが野暮ったく感じていたので、今回はホワイトを指定させてもらった。汚れも気になるのだが、それより個人的に、ある程度のサイズ以上のデバイスは黒系のカラーだと重苦しく感じられるので、『iPad Air 2』以降からタブレットはホワイトを選ぶことにしている。iPhoneやカメラは迷うことなくブラックだけど。白のKindleが汚れたら? 丁寧に拭くのです。

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ブラックモデルと比べてみると、やっぱりホワイトのほうが洗練されているような気がする。そもそもkindleはベゼル(枠)部分が太く、デザイン自体が洗練されているとは言いがたいので、圧迫感のないホワイトのほうがぼくにはしっくりきます。

また、どこかで聞いたのだけれど、映画など映像を視聴する際にはベゼルが黒のほうが締まって見えるので、テレビやMacのディスプレイの枠は黒が多いし、白い紙面の文字を読む書籍リーダーは、ベゼルも白系のほうが読みやすいという話がある。なるほどたしかにそうかもしれない。そういえばkindleのオリジナル・モデルも白じゃなかったでしたっけ?

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裏面は汚れたら目立ちそうだな。

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ディスプレイの解像度が2013年モデルの167ppiから300ppiに変更された恩恵は、肉眼でも大きい。「紙の書籍より鮮明」というのがリアルな体感でしょうか。

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写真では伝わりにくいが、やはり旧モデルは文字にギザギザが見える。こちらだけを使っていれば気にならないだろうけど、一度新モデルのディスプレイを覗いてしまったら後戻りはできないんじゃないかな。MacのRetinaディスプレイと同様に、解像度は禁断の果実ですね。

ページめくりや操作のレスポンス・スピードも旧モデルと比べれば格段に改善されてはいるけど、iPhoneやiPadなどの高価格デバイスと比べると、まだまだ動きはもっさりしていて鈍い場面がある。このスピードを「遅くて不便だ」と斬り捨てるのか、「本を読むときくらい、これくらいのんびりしてるぐらいでちょうどいいよね」と受け入れられるかはあなた次第です。

純正レザーカバー(サドルブラウン)

kindleデバイスは軽さと携帯性が命だと思っていたし、何年か使ってみたところ、iPhoneやiPadに比べて傷がつきにくく、素材もわりと頑丈なので、正直カバーは必要ないと思っていたんです。けれど実際に純正カバーを装着して手にしてみると、kindleというデバイスの「存在感」がぐっと何段階も上がってくるんですね。これはいつでも持っていたい、という所有する喜びがふつふつと湧きあがってくる。

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ブラウンというシックなカラーのせいもあるけど、レザー製アクセサリーは無機的なデジタル・デバイスにあたたかみを与えてくれる。高級感はべつに欲しくないけど、温度が移りそうなやさしい肌ざわりはやっぱり心地いいです。

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ここがマグネットになっているので、フタがきちんと固定される。

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身体が覚えてしまっているのか、せっかくの小型デバイスなのに、こうして本を開いたのと同じ状態で持つと、掌にしっくり馴染んで、読みやすい気がする。

そして何より、iPadの純正カバーと同様に、フタを開くとスリープが解除され、フタを閉じると自動的にスリープ状態になるというギミックが、想像以上に便利です。使ったことのある人ならわかると思うけど、kindleの小さな物理ボタンは端末の下部に設置されていて、いちいち押すのが非常に面倒なんです。これも鮮明な解像度と同じく、一度使ったら戻れない部分でしょう。

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フタは裏に折り返して持つこともできる。

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折り返すと裏側はこんな感じ。

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唯一の難点というか、イマイチなのは裏側のチープな質感。側面を覆う素材がプラスティックのような樹脂製なので、表側に比べて安っぽい印象を受ける。ただこれも、この部分にフォーカスして写真を撮って提示しているからであって、日常で使うぶんにはそれほど安いイメージはないはず。近くでまじまじと見なければ素材の質感などわからないということです。

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ネットには「せっかくの軽量デバイスがカバーを付けると重くなって台無し」という意見も多く見られたけれど、そんなに騒ぐほどじゃないですよ。これくらいの重さを持てないならハードカバーの分厚い小説なんて読めません。

ぼくがKindleを使いつづける理由。

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最後に、kindle書籍はiPhoneやスマホ、タブレットにMacなどのコンピュータまで、あらゆる端末で読めるのにも関わらず、なぜぼくがあえて『kindle paperwhite』という書籍専用端末を使いつづけるのか、について書いておきます。

読書のスイッチを入れるために。

ぼくは不本意ながらいつからかずっとデジタル・ジャンキーで、常にMacやiPhoneなどリンゴのマークの付いたデバイスに触れているんですね。それらは便利で楽しいんだけど、便利すぎて読書には邪魔になるので、デバイスを持ち替えるというワンステップが必要になるんです。iPhoneをどこかに置いて、kindleを手にすることで、本を読むスイッチが入る。そんな面倒なことしなくても本くらいゆっくり読めるよ、というあなたには必要ありませんが。

海辺で本を読むために。

直射日光の下では言うまでもなくKindleが最強です。上の画像を見ればわかるように、iPhoneなどの通常のディスプレイは光を反射して真っ黒になるので細かい文字なんて読めたもんじゃないけど、kindeは電子ペーパーというまったく違う表示方法なので、どんなに強烈な光をあてても快適に読めるわけです。さんぽがてら海辺をぶらぶら歩いてそこらへんに寝そべって本を読むことが多いので、いつも重宝しています。ありえないことはわかってるけど、白黒でいいから電子ペーパーのMacBookが出ないかなあなんて、かなり真剣に願っています。

寝る前の枕元読書のために。

寝る前に布団の中で本を読むのが長年の習慣なんだけど、iPadやiPhoneのディスプレイは眩しい上にブルーライトをまっすぐ照射しているので、眼にも脳にもあまりよくないんですね。それがどれくらいの害をもたらしているのかわからないけど、なかなか眠くならず、眼が冴えてくる、という体感はあります。kindleは液晶の裏側から光を照射する「バックライト」ではなく、液晶の表側から照らす「フロントライト」なので、眼にも優しいし、適度に眠くなるのでちょうどいいんです。

万人におすすめするつもりはないけれど、僕はもう手放せません。レザーカバーはすごくいいですよ。