2012年に僕が観た映画BEST6を紹介します。
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第1位 「ウォーキング・デッド」
映画ではないけど僕の2012年を象徴する作品といえばこれ。アメリカの連続ドラマ史上最高視聴率を誇るホラー・サバイバルドラマ。海外ドラマはストーリーばかり作り込んでいると毛嫌いしていた僕もこの作品にはドハマリした。まさかゾンビものにハマることになろうとは。息もつかせぬ物語の展開もさることながら、心理学の実験結果をそのまま盛り込んでいるかのような人間関係の動きが抜群におもしろい。自分がここにいたらどう動くだろうかと考えながら観るとより一層楽しめるかもしれない。まだ続いているというのだから嬉しいかぎりだ。
第2位 「クラッシュ」
2005年度アカデミー賞最優秀作品賞・脚本賞・編集賞受賞作品。悲壮感漂うポスターから勝手にオカタイ社会派映画だと思って敬遠していたが、僕の心をぎゅっと掴んでぐいぐい引きこまれた作品。ざらついた痛みを憶える殺伐とした前半から、徐々に心の傷が癒やされていくような後半へ流れていくうちに、生きていることのすばらしさについて切実に考えさせられた。見事な脚本にあっぱれ。ぜひ大切な人とゆっくり観てほしい。
▶【映画放談】『クラッシュ(2004)』いつまでも心に残る、痛みの先にあるあたたかさ。 | KLOCKWORK APPLE.
第3位 「エヴェンゲリヲン新劇場版:Q」
今年おそらく唯一劇場で観た作品がこれ。前作の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」が壮絶なラストだったのでどうなるかと期待したが、予想を遥かに凌駕する展開を見せつけられた。20年近く前に生まれた作品がいまだにこうして数多くの人々を魅了し、驚愕させているのは奇跡に近い。来年公開予定のファイナル「シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版:||」が楽しみだ。
▶まさにQ展開!『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』が予想以上にヤヴァかった話(後半ネタバレあり) | KLOCKWORK APPLE.
第4位 「ヒミズ」
原作は古谷実の大人気コミック。あの暗く静かな世界観をどう描くのかという期待を見事に、いい意味で裏切ってくれた。小説にしろコミックにしろ、完成された原作を基に映画を撮る場合には、どれだけ原作の核を残しつつも原作から離れることができるか、がポイントなのだと言うことを教えてくれた作品。ヒミズであってヒミズでない。絶望に寄り添う希望。
「生きろ」と君が言った。
▶【映画放談】『ヒミズ』住田がんばれ!俺もがんばる!原作に一滴の希望を落とした映画版。 | KLOCKWORK APPLE.
第5位 「ツインピークス」
1990年代に世界中で大ヒットしたデイビッド・リンチ監督のサスペンスドラマ。リンチ監督独特の「ヘンテコ」な世界観とキャラクターは今観ても引きこまれるものがある。物語の舞台や展開のテンポには時代の古さを感じるが、アメリカの田舎町のゆっくりとした時の流れと、嘘や建前、欺瞞に満ちた人々の対比は不気味で、じつに気持ち悪い。印象的なメイン・テーマのメロディが頭から離れない。デイビッド・リンチの気持ち悪さは、ある種大人の贅沢かもしれない。もうこういう作品を撮れる人は出てこないのだろうか。
▶【huluオススメ】『ツイン・ピークス(1990-91)』世界を席巻した海外ドラマの金字塔。鬼才デビッド・リンチの不思議なミステリー。 | KLOCKWORK APPLE.
第6位 「生きる」
今から60年前に世界の黒澤明が撮った「生きる」という普遍を描いた作品。時代や場所がどんなに違っても「人が生きる意味」は変わりはしないのだということを教えてくれた。あまりにもスローペースな展開にあくびが出そうになったりもしたが、その淡々とした流れに少しずつ引きこまれていく。高校生の時分に観たときとは気持ちの入り方が違った。生きれば生きるほど、生きる意味がわかってくる。老人の玄冬を描いた作品ではあるが、ぜひとも若い人たちに観てほしい。
▶【映画放談】『生きる(1952)』やろうと思えばなんだってできる。僕にだって、あなたにだって。黒澤明からのメッセージ。 | KLOCKWORK APPLE.
おわりに
今年はDVDやhuluで映画やドラマを観る機会が多かった反面、ほとんど劇場へ足を運べなかった。それなりのお金を払って、真っ暗な部屋で、大きなスクリーンで観る映画は、やはり身体に入ってくる熱が違う気がする。huluはたしかに便利だけれど、来年はできるだけ劇場で映画を観るようにしたい。
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