バスケ部のキャプテン・高橋は、交通事故で下半身が麻痺してしまい、もう一生歩くことができない身体になってしまう。車イス生活のためのリハビリが必要なんだけど、やる気が出ないのでそれもサボりがち。

リハビリセンターの先生が言います。

「彼の頭の中にはとにかく余計なものがいーっぱいついてるのよ。障害うんぬんの前にね」

イケメンで女にもモテて勉強もできて、ちょっとワルいこともやって、生徒たちのヒエラルキーの頂点に近いところで余裕かまして生きてきた高橋は、それまで他人をA〜Eみたいにランキング付けして見下して生きてきたんだよね。

だから、歩けなくなった自分はEランク以下だと勝手に決めつけて、勝手に他人の目から自分を見下して、責めて、苦しくなってる。

高橋じゃなくても誰だって、悩んだり、アクティブに行動できなかったりするのって結局、頭の中に余計なものがいーっぱいつまってるんだよね。つまってたら、すばらしい本も教えも言葉もなーんも入ってこない。

そんでその「余計なもの」ってたいがい、「他人から見た自分」のこと。障害とかなんとか、目に見える問題じゃなくて、自分が他人からどう見られてるかばっかり気にしてるから。僕らは他人を見上げて、見下して生きるようにチューニングされてきたんだからしょうがないけどさ、そろそろそういうの取っぱらっちまったらいいよね。