いじめによる中学生の自殺事件や利権の絡んだ原発問題など、あいかわらず暗いニュースが溢れている昨今、一人の人間として、また人の親として、自分にも何かできることはないか、と青い空の真下で思うことがままある竜さんです。
今日は、2000年に公開されたアメリカ映画『ペイ・フォワード』(原題・Pay It Forward)を紹介します。『シックスセンス』で有名になったオスメント君が主演して、日本でもヒットしたよね。
個人では世界を変えることはできないかもしれないけれど、もしかしたら少しくらいは世の中を明るくすることができるかもしれない。
そしてまた、自分自身が最高にハッピーになれるかもしれない。なんていう、ステキな運動のお話です。
「もし自分の手で世界を変えたいと思ったら、何をする?」
担任の教師にそう問われた中学一年生のトレバーは、「ペイ・フォワード」を思いつきます。
それは、他人から受けた親切や援助、善意や思いやりを、その
してくれた人に返すのではなく、3人の別の人間に渡す
というシンプルなもの。
「恩返し=ペイ・バック」ではなく「先へ支払う=ペイ・フォワード」
恩返しでは当事者間で完結してしまう「善意の交流」も、外へ向ければどんどん広がっていく。理論的には、「思いやり」がネズミ講式に広がる仕組みです。
「お礼なら、次へ渡してください」
具体的には何をすればいいのか。
誰でもいいから、自分じゃない誰かのために、ささやかな思いやりを届ける。
たったそれだけでいいんです。大それたことをする必要はありません。
世話になっている人にお礼を言う。
妻の家事を手伝ってあげる。
亭主の肩を揉んであげる。
タクシーを譲ってあげる。
子どもをたくさん褒める。
悩んでいる友人にメールを書く。
ビーチのゴミを拾う。
などなど、自分ができる範囲の「思いやり」を行動に移せばいい。もちろん、もっともっと大きな親切を行ったっていいけども。
ただし、誰かにお礼を言われたら、必ずこう言うのね。
「お礼なら、次へ渡してちょーよ」
って。
いちばんの幸せは、あなたに訪れる。
Casey holding a gift / ktylerconk
「プレゼントが嬉しいのは、もらった人よりあげた人」
なんだよね。
親切って、されるよりする方が気持ちよかったりする。逆に、誰かに傷つけられるより傷つけるほうが辛いってこともあるし。
誰かに「何かをしてあげる」ってなると、そこにおかしな〈自己愛〉とか〈自尊心〉みたいな面倒なものが介在しちゃうけど、「思いやりを次へ渡し、どんどん広げていく」っていうペイフォワードは、ただ渡していくだけで、〈自己〉なんて必要ないからね。どんどん広がったらいい。
結果的に、自分がいちばん豊かな気持ちになりゃいいわ。
誰かに「思いやり」をもらったら?
「どうもありがとう。ご恩は次へ渡します」
世界は、隅々まで繋がってる。部屋の書棚の裏にも、海辺の砂の一粒一粒にも、ヒマワリの茎のまわりにも、水が染みいるようにして、世界はひとつなんだ。
くしくも今日は僕の37回目の誕生日です。もし、お祝いの気持ちをいただけるのなら、それを次に渡してみてください。
そして、今日一日、笑顔でいてください。腹の立つ事があっても、怒らず、哀しまず、文句を言わず、笑ってみてください。そうすっと、世界がちょっと笑うから。笑顔が、いちばん広がるよね。