『ブレードランナー2049』が公開されるってんで、ひさしぶりに前作『ブレードランナー』を見たんだ。
中学生以来だから二十数年ぶり。っていうか公開は1982年だから、三十年以上も前の作品なんだよなこれおったまげ。
この三十年あまりでCGやらの映像技術も作家の表現技法も信じられないくらい飛躍してるから、まあ、大昔の名作SFをおさらいするか、ってかる〜い気持ちで見はじめたんだけど、
あらま、冒頭シーンから、すんごいじゃないの。
不気味な摩天楼の群れ。天に向かってたちのぼる炎。暗くざらついた映像。
まだなんもストーリー始まってないのに、ぐいっと引きこまれる。
映像だけで。
「こりゃ、続編はオリジナル超えられねえな」
俺たちが少年だったあの三十年前に、こんな突拍子もない世界観をガツンと見せつけられたら、ホントみんなおったまげただろうよ。
CG全盛のこの時代に、どんだけ流麗な映像で、どんだけ奇抜な世界観をこしらえても、オリジナルにこれがあったらどうしようもないよ。
近未来。やまない雨。荒廃した街。カオス。アジアの貧民。アナログなデジタル機器。外れた未来予想。
後の『AKIRA』や『攻殻機動隊』が影響を受けた「暗いほうのリアルな未来」が、俺たちの生きる世界の未来とは違うパラレルワールドであるとわかっていても、ひどく生々しく迫ってくる。
監督にとっては、SFの大傑作っていうオリジナルの存在自体が足かせになって、オリジナルを汚しちゃいけないって気持ちも絶対あるでしょうよ。
もし、このヴィルヌーブって監督の心の底に「うるせえ。オリジナルぶっ壊してやんよ」みたいな気持ちがあれば、もしかしたら……な気もするけどね。
……っていうか、この人『メッセージ』撮った人なんか、そうかそうか。
あれけっこうよかったから……ね、期待できるかもしんないな!
『ブレードランナー』も、『2001年宇宙の旅』なんかと同じ、「哲学SF」だから、『メッセージ』でそのへんのうまさを見せてくれたこの人なら、オリジナルを超えてくれるかも。
そういえば、ハリソン・フォードが屋台で「ウドン・フォー」ってうどんを四つ頼むシーンを覚えてたんだけど、ひさしぶりに見たら、なんか違う食べ物を四つ頼んで、「あとうどんもね」って追加してたんだね。
あと、クリストファー・ウォーケンが出てたって記憶があったんだけど、おっかない顔の印象でルトガー・ハウアーと間違ってたんだろうか。記憶ってあてにならねえな笑。
ってことで、明日2049観てくるよ!