コラム/エッセイ

ハナレグミと清志郎の化学反応に涙する。『サヨナラCOLOR』(動画)

Mountains and stars
Mountains and stars / Tambako the Jaguar
星空の下で聞きたい曲がある。

十年以上も前、宮城県にある山奥の田舎町へ行ったときのことだ。若かった僕はぐでんぐでんに酔っぱらって、前後不覚になりながらもまだビールを飲んでいた。親友に連れられるがままに庭に出ると、僕らは仰向けになって一面の星空を眺めた。

空、というより、視界いっぱいに星が散らばっていた。銀河の海に放り出されたみたいだった。まだ何者でもなかった僕は、ただ星を見つめているだけで、熱いものがこみあげてくるのだった。

ハナレグミと忌野清志郎が唄う『サヨナラCOLOR』を聞くと、僕はあの宮城の夜のことを思い出す。

自分がやりたいことがわからないわけじゃなかった。だけど僕が抱えていた夢は、まさにぼんやりとした現実味のない夢で、それに向かって何をすればいいのかは判然としなかった。

薄々感じはじめていたけど、どうやら僕もその他大勢と同じ、特に何の取り柄もない「凡人」であると気づいた、子どもの終わり、と言うには遅すぎるかもしれない、大人のはじまりの季節だったのだろう。

あの頃大切にしていた夢、あの頃働いていた職場のみんな、一緒にバカをやっていた友だち、隣を歩いていた女性、僕の人生に足を踏みいれて、そのまま歩み去って行った人たち、今でも一緒にいる人たち、きっとこのまま一生僕の人生に関わってくれるであろう人たち。そういう人たちのことを考えると、生きているだけで人間てすげえなって思う。

サヨナラからはじまることは、たしかにたくさんある。大切なもののために手放さなければならないものもある。いつだって、いくつになったって、自分にとっての「本当のこと」を見失わないようにしたい。

それにしても、ハナレグミと清志郎の声が重なると、沁みるねえ、化学反応だねえ。


生きてるってただそれだけで素晴らしい。ブリタニー・マーフィーの歌声を僕は永遠に愛しつづけるだろう。 | CLOCK LIFE

 

 

 

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