「あの頃に戻れたらなあ」って思ったことのある人は多いでしょう。
僕だって、怖いものなんか何もなくて、二日くらい徹夜したってへっちゃらで、何でもできる気がしていたあの若かりし頃に戻りたいなあ、と思うことがあるよ。あるいは大きな人生の選択をした瞬間に戻って、やり直したいと思うことだってなくはない。
でもこのマイケル・ジョーダンのCMを見たら、歳を重ねることは決してわるいことじゃないんだって思えたんです。
39歳のジョーダンと23歳のジョーダンが1対1で勝負したら、どっちが勝つ?
ふつうに考えたら、ルーキーイヤーからスペシャルなプレーヤーだった若いジョーダンが勝つに決まってるって思うんだけど、そうでもないんだよな。
バキバキに身体がキレまくっていた若きジョーダンのスラムダンクはパワフルだけど、経験を積んだ老練のジョーダンの動きには無駄がなく華麗ですらある。勝負は一進一退。
僕はちょうど今年で39歳なんだけど、たしかに23歳の僕に負ける気はしないなあ。
根拠のない自信に後押しされていたあの頃の僕は輝いていたかもしれないけれど、ややくたびれてお腹が出てきた今の僕のほうが、知識と経験という揺るぎない土台がある分、上なのは言うまでもない。
全盛期はいつかってことですよね。そう、今でしょ。いつだって今が僕らの全盛期だ。
だから、あの頃に戻れたらなあ、なんて考えるのはもうやめにします。バスケは別だけどさ。