ビートたけしがフライデー襲撃事件の後に記者会見した動画がYouTubeにあるんだけど、気づいたら定期的に見てる。
若くてキレッキレの頃のたけしが、すげえカッコいいんだ。
著名人が不祥事を起こしたときの釈明会見って、みんなだいたい神妙で深刻な顔をして、いかに過ちをゆるしてもらうか、ってことに心を砕くけど、たけしは毅然としてる。
言いたいことは言うし、間違ってないと思ってることは曲げない。過ちは素直に謝罪するが、質問する記者に声を荒げるシーンも少なくない。そこに集まった数十人もの善良な人たちが、社会的な罪を犯したはずの一人の男に圧倒されてる。
もちろん時代もあっただろうけど、たけしのその迫力の奥に見えるのは、類い希なる「覚悟」だ。
俺は好きに生きる。衝突もあるだろう。感情的になって間違いも犯すだろう。でもそれぜんぶひっくるめて、やりたいようにやらせてもらう。それでテレビに出られなくなったらそれまでだ。
っていう、覚悟。
覚悟があるから、たけしは落ちついて、記者会見も、その先にあるものも、誰よりも大局的に俯瞰しているから、言動に合理性が宿り、記者たちも世論も頭を垂れるしかない。
俺がいつもたけしにもらうのは、そういう「うるせえよバカヤロー!」って姿勢だ。
他者や社会に対して言ってるんじゃない。
俺の中で、俺自身が語りかける
「いいのかそんなことやって」「おまえおかしいんじゃねえか」「みんな笑ってんぞ」「大丈夫か」
っていう、不安をエサに育つ餓鬼どもの言葉。
心が、傷つきたくなくて、誰も言ってないし思ってもないことをでっちあげて投げかけてくる言葉。
不安定なときは、そういう餓鬼どもの声がよく聞こえるから。
だから俺は、定期的にこの動画を見て、うるせえよバカヤローを補充するのかもしれない。