前回☞ ふと。流るるごとく、答えのない旅へ。〈京へ西へ。その一〉

2019年11月24日。午前8時8分発ひかり503号で小田原を出立。同午前10時11分京都着。

まずは、京都駅前のイオンモールにある無印良品でキャリーケース用のダイヤルロックと旅行用アイマスクを購入。

今回の旅の準備にあたって、無印良品とモンベル製品の日本らしい細やかさに、あらためて感動したね。

そのうち個別に書くかもだけど、どちらも安すぎず高すぎず、チョウドイイ価格設定ながら、その上をいく安定したクオリティね。お値段以上ってココのことでしょ。

コロコロ転がすキャリーバッグはカッコつけてノースフェイスのにしたけど、折りたたみ傘とかいろいろ、旅の小物は、無印とモンベル最高だわい。

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それから、京都駅近辺で、京都と大阪の友人二人と待ち合わせ。

あまり予定を決めず、さらさら流れながら、一人で何かを見て何かを感じる旅ってことで、旅先で誰かに会うつもりはなかったんだけど、初日だけは仲のいいお友だちと再会して、旅の大まかな作戦会議なんかしてね。

まずは昼飯だってことで、着いたばっかで浮かれて京のお上りさん状態だったオレは、京都らしいものを食べたいなと思ってたんだけど(知らないくせに)、

二人の提案に乗って、京都で1897年創業の老舗洋食店へ。

以前のオレだったら、せっかくの旅で行列に並ぶなんてイヤーンだったし、そもそも普段でも並んでメシを食うなんてほとんどないんだけど、まあそこも流れに乗っかってね。

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創業百年なんて言われちゃってね、文明開化を感じるレトロな店内で、〈百年洋食ハンバーグステーキ〉なんて名のついたの食べたら、旅情も加味されて、そりゃうまいっすよ旦那。

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特別変わったハンバーグじゃなくて、オーソドックスなデミグラスでね、余計なことしてない、いい味。

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丸ごとトマトサラダは、湯むきしてキンキンに冷やしたトマトに爽やかなドレッシングかけただけ。いいね。

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ケーキが抜群にうまかったよ。オレはキャラメルショコラ。

苦くて甘くて濃くて、せっかく甘いもん食うんだから、これくらいガッツリ遠慮なく濃厚にしてくれると気持ちいいね。

腹を満たしたら、まずは荷物を置きに宿へ。

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河原町、木屋町っていうのかな、五条と四条の間くらいの鴨川沿いの宿でね、まあここの風情がたまんなくってね、後で書くけども。

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それから、三人でぷらぷら鴨川沿いを歩いて、左右に店が並んで、観光客でごった返す祇園の大通りを抜けて、八坂神社へ。

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街ゆく人々の京都弁を耳にしつつ、夕暮れの街をゆく、なんて風流な想像をしてたけど、聞こえてくるのはほとんどが広東語とかフランス語とかね、まあそれもまた旅の一興かと。

鴨川も祇園も神社も趣があったけどね、まあ三人でべらべら喋くりながらだったんで、旅情みたいなのんはまだなかったね。

ひたすら人の群れをかきわけて進み、神社の上の円山公園の喫茶店で、カフェオレ飲みながらガイドブック広げてオレの明日からの作戦会議した。

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旅先のそのときどきの直感でぷらぷらするったって、多少の地理は頭に入れておかないとさ。

で、明日は、大雑把に鴨川の東を訪ねようと。

清水寺とか伏見稲荷とか、銀閣寺、哲学の道、京大とか、武蔵が吉岡一門をなぎ倒した一乗寺らへんとか、平安神宮とか……まあ、いくらでもあるわ。

そうそう、今回、事前にいろんな人に京都の見どころや好きな場所なんかを訊いたんだけど、みんな、ココもいいしアソコもいいし、みたいな感じで、なんかハッキリしないのよ。

でも実際に足を運んでみて納得したね。

見どころが、ありすぎで、おます。

しかも、ひとつひとつの名所が、他の都道府県だったらその地域を代表するくらいのインパクトのある所ばっかりだから、もうざっくり、どこ行ってもスゴいよ、ってなもんだよね。

そりゃ日本の世界遺産のほとんどが京都にあるんでしょ。恐るべしですわほんまに。

それから、また祇園の通りを抜けてね、そんときちょうどマジックアワーの黄昏時で、空が綺麗だったなあ。

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もう本当にこう、淡い光に包まれてね、昼と夜の間、陽と陰の間、みたいな、異世界の雰囲気、ちょっと妖気のようなものも感じてしまうようなね。

茅ヶ崎の黄昏の海辺を毎日歩いてるんだけど、ぜんぜん違うのね、情景が。

昔の人が逢魔が時と呼んで、物の怪が出るって思ったのもリアルにわかるような気がするくらい、美しさが不気味さに変わるようなね、現実離れしてたよ。

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それから鴨川を渡り、四条を進み、ここも風情ある錦市場商店街を抜けて、みやちゃんお気に入りのトラットリアへ。

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ここはお肉がおいしくてね、初めての京の夜、イタリアンの肉をガッツリ喰らって楽しかったね。

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宿に戻ったのは午後九時前。歩きまわってもうくたくたでベッドに倒れ込みたいところだけど、ここはホテルとは違って、しかも鴨川沿いの老舗旅館で、二部屋しかないところでさ。

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着いたら、鴨川を覗くカウンターで、女将さんがお抹茶を煎れてくれてね、もう、そこで女将さんと少しばかり話しただけで、ああ、いい宿見つけちゃったわあって思ったもんね。オレやるねえって。

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で、小さいけれど家庭的であったかい風呂に柚子を浮かべて全身を伸ばしてね。

疲れてんだけど、目と頭は旅のテンションで冴えてるもんだから、コンビニで酒買ってきて、遅くまで一人で部屋で吞んだよ。

外には鴨川の流れと向かいの通り、その奥には清水寺の灯りが見えてね、火照った頭も少しずつ酒に溶けていって、たまんねえよな、なんつって、いつの間にか眠りに墜ちてた。つづく。

ノリくんみやちゃん、おおきに。

☞ 日本で一番、世界で一番うまい朝飯だって思ったもんね。〈京へ西へ。その三〉

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