朝、書斎に入って、パソコンの壁紙を替える瞬間が好きだ。

ベッドを出て、水を飲んで、歯を磨く。子どもたちに朝食を食べさせ、洗い物を片づけ、洗濯機を回す。コーヒーを煎れて、書斎のiMacに向かう。

〈Unsplash Wallpapers〉というアプリを使って、世界中のセンスのいいフォトグラファーの写真から、その日の気分で直感的に壁紙を選ぶ。

南の島の遠景だったり、ぷかぷか浮かぶクラゲの姿だったり、どこか外国の街の壁の模様だったり、様々だが、その日、そのときどきによって、好みとそうでないものがはっきりと違う。

街の遠景に希望を抱く朝があれば、眼前に迫る壁に閉塞感や焦燥感を煽られる日もある。海面を優雅に飛ぶ鯨の姿にこころがおちつく雨の日も。

この前、誰かが言っていた。

__昔に戻りたいと思うことはない。今までより、これからのほうが、きっと楽しいことが待っていそうだから。

一日として、同じ朝はない。それが、嬉しくて、一日が始まることに、すこし胸を昂ぶらせて。

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