ちょっと前の話。
小学生の娘が、どこで聞いてきたのか、「スイートポテトが食べたい。食べたいし、作ってみたい」と言うので、ママが手伝って二人で作ることになりました。
うちのすぐ近所に、かつてテレビで街の巨匠と紹介された〈デセール〉というケーキ屋さんの〈湘南デセールポテト〉っていう絶品のスイートポテトがあるんだけど、自分で作って食べたいんだって。
てことで、ママと娘がこしらえたのを僕も頂いたのだけれど、思っていたよりすごくおいしいの。
それでさっきママに作り方を聞いてみたんだけど、スイートポテトって、余計なものは一切入ってない、ホントにおイモのおいしさ!を増幅してるスイーツなんですね。
サツマイモをレンジでチンして、一口食べて甘さをたしかめて、フォークでつぶして、甘さを補う程度の砂糖を入れて、たっぷりのバターと、ほんのちょっとの生クリームを加え、形を整えたら、仕上げに卵黄を塗って、180度のオーブンで焼く。
なるほど。あくまでおイモのおいしさを活かすために、砂糖は補う程度。でもまったく入れないと素朴すぎて味気ないので旨味としても入れておく。
フォークで粗めにつぶして食感を楽しむも良し、マッシャーを使ったり裏漉ししてなめらかにするも良し。
生クリーム(あるいは牛乳)はつなぎ程度で、たっぷりのバターで動物性のコクをプラスし、卵黄で香ばしさを演出する。
うーん、昔フレンチのシェフに言われた「料理は数学だから」という言葉が懐かしく蘇る。食材と味の足し算、引き算、かけ算がわかると、いろんな好みでバリエーションが広がるものです。
お店で買うスイーツは、やはり商品としてお客さんにインパクトを与えないといけないので、どうしても甘みや旨味が強めになるけれど、ホームメイドだと、その中間の、__素材の味を出しつつ、甘すぎず、強すぎず、の、ちょうどいい塩梅、文字通りさじ加減を調整できるのがいい。
個包装して。
パパのおめざ(朝食)にもちょうどいい。
お店のスイートポテトも、母娘のスイートポテトも、それぞれの味わいがある。みんな違って、みんないいね。楽しんでね。