週末にHuluで映画やドラマを観ることが多いのだが、ゾンビから逃げまわったり脱獄のために刺青を彫ったりするのにも疲れたので、お茶漬けのようにさっぱりとした作品が観たくなった。
『深夜食堂』は繁華街の片隅にある小さな食堂だ。営業時間は深夜0時から朝の7時頃まで。メニューは豚汁定食とビール、酒、焼酎のみだが、できるものなら何でも作ってくれる。
深夜の繁華街なので、集まるのは叩けば埃が出てきそうなクセのあるお客さんばかり。それぞれが背負った人生の重みを、マスターが作る素朴な料理が解きほぐしてくれる。
赤いタコさんウインナー、甘い卵焼き、削りたての鰹節をのせた猫まんま、三者三様のお茶漬け、ポテトサラダに卵サンド、ソース焼きそば、鯵の開き、唐揚げ、クリームシチュー、肉じゃが、冷やし中華、餃子。それぞれのお客さんが自分の思い出深い料理をここで食べて、心の底にこびりついた澱を浄化させて、また街の喧騒へと帰っていく。
出てくる料理はどれもオーソドックスな家庭料理ばかり。東京にいれば世界中の料理が食べられる我が国だが、深夜食堂を観ているとやはり僕は日本人なんだな、と当たり前のことが身に沁みる。
僕が深夜食堂に行ったら、たぶん「ほうとう」を頼むだろう。カボチャとジャガイモと山菜がたっぷり入った、すいとんみたいにぼってりとしたうどんを噛みしめたら、涙が溢れて止まらないかもしれない。
食べものがうまいっていいもんです。生きている証しのようなもんです。
____『ノルウェイの森』村上春樹
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