人をバンバン殺すドラマは受けつけない。
スパイやテロ対策ユニット、脱獄囚、骨専門の法人類学者などの物語に感情移入できなかった最大の理由は、毎回かならず誰かが死ぬからだ。それも無造作に、コーヒーがデスクにこぼれるかのように。
それぞれに護るべきものや職務など正当な理由があるにせよ、殺しつづけることで成立するドラマは、善し悪しではなく、僕らの心には響かなかった。
生きるということに命をかける。
セレブたちは信じられないくらいのお金をバンバン使って、セレブならではの秘密やプライドを護りつつ、愛する人たちの命を救おうとする。出てくるすべての人々が、殺すのではなく、生かすために奔走する姿は僕らの心を打つ。
海辺のリゾートとかろやかなテンポ。
Hampton Beach / rickpilot_2000
舞台は開放的なビーチリゾートで、登場人物はセレブばかりなので基本的に明るい。それなりに悩みはあるだろうが、スラム街の貧民たちのそれと違って悲壮感はない。キャラクターも演出もコメディタッチなので、ソファでワインを片手に楽しむのにもってこいの作品だろう。
あらゆる物語は家族を描いている。
Smiling family of six peddle 4-wheel bike surrey #70 with fringed roof. / mikebaird
家族というのは「生」の象徴だ。自分の遺伝子を継いだ子どもたちを何があっても生きのびさせること、それこそが生物の生きる最大の使命だ。
だからこそ、自分の家族を持って、個々の命の重さを実感として背中に感じるようになると、「死ぬ物語」よりも「生きる物語」に惹かれていくのだろう。
たまには、ユーモアに充ちた生命の賛歌を楽しんでみてはいかがでしょうか。
海外ドラマ『ウォーキング・デッド』が僕らを惹きつける7つの理由 | KLOCKWORKs
海外ドラマにもたれた胃にほっとするやさしい味を。『深夜食堂』Hulu | KLOCKWORKs