DropShadow ~ gravity

あまりに圧倒されてしまい、エンドロールが流れはじめても、しばらく言葉が出なかった。

緊張の連続でひたすら喉が乾くのでLサイズのコーラはとっくに空になっていたけど、けっきょくポップコーンはほとんど口にできなかった。

いまだかつてこんな映画があっただろうか。

これは作品としてのクオリティや好き嫌いを超越した、映画史に残る究極の傑作である。

 

開始1分で、僕は宇宙空間を漂っていた。

物語は静かに、おごそかに始まる。

いつの間にか、僕は宇宙空間を漂っている。

これは大げさな比喩でもなんでもない。

劇場で観た人ならわかるだろうけど、本当に、自分が映画館にいるということを忘れてしまうのだ。

とてつもない映像美で描き出される宇宙と地球の姿、船外活動をする宇宙飛行士たちの姿にうっとりしているうちに、唐突に物語が動きはじめる。

順序としては「まるで自分が宇宙にいるみたいだ」と感じる前に、衝撃的な展開に引きこまれ、鼓動が速くなり、喉が渇き、叫びそうになり、自分が呼吸をしていないことに気がつく。

僕はあまりのインパクトに、席を立ってしまいそうになった。

『 IMAX 3D 』という新時代

DropShadow ~ IMG 2678

この冒頭の数分間だけで、今までになかった未知の作品だということに気がつくだろう。

3Dなんてのは子どもだましの邪道だと思っていたが、これは映画の新しい時代の幕開けである。

あるいは映画の歴史は『ゼロ・グラビティ』以前と以降に分けられるかもしれない。

それほどまでの臨場感と迫力を生みだしているのは、『IMAX』という次世代の映像と音響の複合技術だ。

詳しくはWebサイトを見てほしいが、百聞は一見にしかず、劇場で実際に体感すればそのとてつもない迫力と映画の新しい表現が理解できるだろう。

今までの3Dとは明らかに違う、映画館が物語の舞台になってしまうほどの究極の臨場感なのだ。

ただ残念ながら、まだ日本にはIMAXデジタルシアターが20館もない状態なので、最寄りの映画館を探してみてください。

IMAX アイマックス 劇場情報:109シネマズ


涙で曇った3Dグラスを拭う。

DropShadow ~ IMG 2676

スゴイのは映像と音響だけじゃない。

「生きる」という人間の普遍的なテーマを、シンプルに、重厚に描いた物語は、心の深いところまでぐっと迫ってくる。

ネタバレになるので詳しいことは書かないが、僕は溢れ出る涙をこらえきれず、何度も3Dグラスを外して涙を拭かなければならなかった。

生きてさえいれば、何だってできる気がした。

DropShadow ~ Gravity Box Office 03

ストーリーを書くわけにはいかないので、映画館を出てからすぐに書いた僕の映画メモを載せておきます。

  • 生きる希望
  • 死を想ったら、全力で生きようと想った。
  • ジョージ・クルーニーがカッコよすぎ!
  • 生きてさえいれば、何だってできる気がした
  • サンドラ・ブロックを抱きしめたい。すべての人を抱きしめたい。
  • 僕は何にだってなれる。
  • 3Dという新しい時代
  • 僕なら20回以上諦めてた。
  • あらゆる物語は家族を描いている。
  • オープニングから13分間カットなしの超ロングテイク
  • 僕は間違いなく、宇宙に、いた。
  • 安全な日常から引き離された人間が、脱皮して成長する姿が、人の心を打つ。サバイバルムービーが流行する理由

2D上映するのは罪じゃないか!

放心状態で映画館を出てから、劇場ロビーの電光掲示板を見て思わず立ち止まってしまった。

『ゼロ・グラビティ』は3Dだけかと思ってたら、2Dでも上映されていたのである。

いやいやいやいや、3Dじゃなきゃダメでしょう!むしろIMAX 3Dじゃなきゃダメでしょう!

この究極の映像美と迫力のことを知らない人が「今日は時間帯が合わないから2Dでいっか!」とかなっちゃったら、 その人はこのとてつもない衝撃を二度と味わえなくなっちゃうじゃないですか!映画って、初見にすべてがかかってるんだから!

ていうか、DVDなんてもう絶対ダメですよ!

『アバター』もそうだったけど、3Dを劇場で観なければならない作品というのがあるんです!

今すぐ映画館へ行ってください!

DropShadow ~ clooney

ということで、今すぐWebで映画館を検索して、スケジュールを調整して、劇場へ足を運んでください。

できることなら『 IMAX 3D 』デジタルシアターまで出向いてください。後悔はさせません!

終わりに

エンドロールが終わったときに、拍手を送った映画は久しぶりだった。

映像と音響だけでなく、監督の演出、サンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーの演技と存在感、すべての要素が感動的なまでに素晴らしく、これぞまさに総合芸術だと、心がぶるぶる震えるのを感じました。

映画少年だった僕は、どちらかというと3D技術には懐疑的というか、頭が古くてあまり認めてなかったんだけど、これは映画の正統な進化じゃないかなと思いました。

そもそも映画という表現方法だってまだまだ歴史が浅く、絵画や音楽や写真といった単独の表現に比べると、幼稚だとか邪道だとか芸術じゃないとか、いろいろ言われてきたわけですから。

まあとにかく観てください。僕はもう一回IMAX 3Dで観てみたいなあ。けっきょくDVDでも観ちゃうんだろうなあ。

予告編をどうぞ

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▶ ゼロ・グラビティ – YouTube.

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