犯人は本当にその人だと思ってる?『パーフェクトブルー』85点

 

衝撃として記憶に残るサイコ・サスペンスは洋邦問わずいくつもあるが、僕にとってその最高峰はこの映画だ。

今は亡き日本アニメ界の鬼才・今敏(こんさとし)監督が1998年に制作した本作では、ネットを使ったストーカーやアイドルオタクの暴走など、今ではよく聞くようなモチーフがいくつも詰めこまれている。

STORY

アイドル歌手から女優への転身を図る霧越未麻は、ドラマで大胆なレ〇プ・シーンに挑戦し、ヌード写真集も出版。世間の注目を集めるものの、アイドル時代からの急激な変化にファン、マネージャー、そして未麻自身も戸惑いを覚える。やがて、未麻の周囲にはストーカーの影が忍び寄り、脚本家やカメラマンが惨殺されていく。

「あたしが殺したの!?」ドラマで演じる役に侵食されるかのように自身の二重人格を疑う未麻。そんな彼女の前に「卒業」したはずの「もうひとりの未麻」が出現する。

PERFECT BLUE -A SATOSHI KON FILM-

冒頭のコンサートシーンで、僕は物語に引きこまれる。

会場に集まったアイドルオタクたちの会話のトーンが、妙に生々しく、やたらとリアルだからだ。

アニメ映画だからなのか、よくできたすばらしいサイコサスペンスだとわかっていながらも、心は落ちついている。

そんなリアルでのどかな雰囲気の中、物語は唐突に変容を遂げていくのだ。

『ブラック・スワン』は『パーフェクトブルー』のリメイク?

 

日本のアニメに影響を受けた映画人は世界中にたくさんいるが、その中でもナタリー・ポートマン主演で日本でも話題になった『ブラック・スワン』のダーレン・アロノフスキー監督は、今敏監督の大ファンとして知られる。

『ブラック・スワン』は『パーフェクトブルー』のリメイクだ、と言われるほど、設定や展開が酷似しているし、同監督の『レクイエム・フォー・ドリーム』でも、まったく同じ構図の入浴シーンで本作へのオマージュが捧げられている。

そのクライマックスは本当に本物なの?

サスペンスのレビューはどうしてもネタバレを含んでしまうので多くを語れないのだが、まずは十年以上前に、それでも「いいから黙って見てよ」と僕にこの映画を薦めてくれた友人に感謝を贈りたい。

よくできたサイコサスペンスなので、おそらく鑑賞後にはその結末に「おおお」と感嘆することになるのだが、本作を気に入った人はもう一度あらためて見直すことをおすすめする。

不可解に散りばめられた謎が解けて、パズルのピースがすべて揃ったと納得したあなたの理解は、本当に正しいのだろうか。

この映画のどこが本当で、どこが嘘なのか、あなたは本当にわかったのだろうか。本当の犯人は誰?本当って何?あなた、誰なの?

考えれば考えるほど、とてつもない傑作である。85点。

予告編

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posted with sticky on 2014.11.18


 

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