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今日はランニングをしたくないなあ、という寒い朝、僕は一時間後の自分を想像することにしている。

走らなかった自分はきっと、一時間後にも、昨日の失敗と少しの酒を引きずって、もやもやした気持ちと重い身体をもてあましている。

走った自分はきっと、全身に血がめぐって躍動した肉体に、晴れやかな心で一日を始めている。

そんなことを考えながらウェアに着替えて、身震いしながら凍える大地を蹴って走りだす。

そういう朝に限って、息を呑むような景色が目に飛びこんでくる。夜と朝のあいだ。過ぎ去った過去と新しい一日の境界線。

明日も僕は、きっと同じように走りだせると思う。