秋に向かって空気がクリアに澄んでいくように、最近なんだか、いろんなものがよく見えるようになった。聞こえるようになった。感じられるようになった。

心=身体の声が、よく聞こえる。

僕らは心とからだを別々に考えてしまいがちだけど、心の声は身体を通して聞こえてきます。

身体の部位に耳を澄ますと、伝わってくるんです。

朝から重い頭が、ちょっと張りのあるふくらはぎが、違和感のある右肩が、手首の鈍痛が、いろんなことを直接的な言葉で教えてくれます。

「疲れてるよ」とか「無理するなよ」といった単純なものではなく、もっとずっと奥にあるメッセージが聞こえてくるのです。

 

先日風邪をひいたときは、炎症を起こしてヒューヒューと音を立てて僕を苦しめる気管支の声に耳を澄ましたら、こんなことを言っていました。

「今のおまえには、無駄なものが多いんだよ」

僕はしばらく気管支と対話し、なるほど!と得心しました。

病院へ行き、抗生剤と気管支の薬をもらい、アレルギーテストをして、部屋を掃除して、家中を見渡すと、部屋にも心の中にも、無駄なものが溢れているのがよく見えました。

本当に大切なものと、そうでないもの。

必要なものとそうでないものが、おもしろいほどはっきりと見えたんです。

Photo 1415979733006 ec911cf8e6df  1

僕は今まで、どれだけ身体の声を無視して生きてきたのだろうと、鳥肌が立ちました。

身体はまず、不安や恐怖といったストレスで、僕らにサインをくれます。

朝から気持ちが上がらない。わけもなく憂鬱だ。イライラする。会社(学校)へ行きたくない。

でもそこは気合いを入れて、がんばって抑えこんで家を出ますよね。

すると今度は、身体的な痛みで、僕らにサインをくれます。

頭が重い。胃が痛い。肩が張っている。腰が痛い。風邪っぽい。全身がだるい。

それでもあなたは、それを無視してがんばりますよね。

すこしの風邪くらいで休んでいるわけにはいかない、と言って、気合いで仕事に励みます。

そうやって生きているうちに、心=身体の声は、どんどん聞こえなくなってきます。

そして人によっては、自分がどうなっているのかもわからずに、力を振りしぼってあがき続けて、文字通り、心も身体も「ぶっ壊れて」しまうんです。

それが、僕や家内だったりします。

ぶっ壊れた先に、僕らは大きな光を見つけることができたけど、そのまま深い闇に落ちてしまう人もいます。

僕らは二度とあんな目にあいたくないから、今日も耳を澄ますんです。

身体の声は、そのときの自分のことだけじゃなくて、未来のこと、大切なことも教えてくれる、大切な道しるべなんです。

興味がある方は、『気づきのセラピー―はじめてのゲシュタルト療法』というを読んでみると参考になるかもしれません。

速読とかダメですよ(笑)。僕はゆっくりじっくり噛みしめるように読んで、実際にやってみたら、いろんな声が聞こえるようになりましたから。

今日はとっても気持ちのいい秋晴れです。