豊かな人生を送るためには、「瞑想」と「迷走」が必要です。
仕事をうまくやるにはどうしたらいいか。
家族を幸せにするにはどうしたらいいか。
そもそも自分にとっての幸せとは何だろうか。
そうやって自分の心に向き合って、頭の中の物事を整理し、ときにはとことん悩んで、今から進む方向性を「決める」のが「瞑想」(注・ここで言う瞑想とはマントラを唱えて頭の中を空っぽにするものとは違う。「目を閉じて静かに考えること」by 広辞苑)。
それとは逆に、
早起きしてジョギングをする。
タスク管理を改善する。
子どもたちをコントロールするのをやめる。
日曜日は自分の好きなことだけやる。
食べたいものをたくさん食べる。
そうやって自分が決めたことを「信じて」、何はともあれやってみるのが「迷走」。
このどちらかが欠けていると、幸福の流れには乗れません。
アレコレ悩んでしまう人は「迷走」しよう
僕のところにお話に来る人たちは、「瞑想」は得意なんだけど「迷走」が苦手という人が多い。
アレコレ考えて、悩んで、不安になってしまう「瞑想」好きのあなたは、一旦考えるのをやめて、走りだしてみてはどうでしょうか。
間違ってるかもしれないけれど、自分が決めたことを信じて、とにかくやってみる。
もう一度言います。
とにかくやってみる。
あれ?うまくいかないぞ、楽しくないぞ、と思ったら、すっぱりとあきらめて、次へいく。
もっかい言っとこう。
すっぱりとあきらめて、次へいく。
それが「迷走」です。
行動してもうまくいかない人は「瞑想」しよう
逆に、思いついたままに行動しては失敗し、それを他人や社会のせいにして愚痴ばかり言っている「迷走」好きのあなたは、とりあえず足を止めて、目を閉じて静かに考えてみてはどうでしょうか。
自分は何をしようとしているのか。
どこへ向かっていて、その目的地に辿り着くために、何をするべきなのだろうか。
今日という日は、自分の長い人生においてどのような意味を持つのだろうか。
そういうことを、仕事や家庭にあてはめて、具体的に考えてみる。
何十年もつづく人生という「森」を見て、その中にある今日という一本の「木」を見る。
それが「瞑想」です。
どちらか一方だけになると、流れが止まる。
どちらか一方だけでは、誰だって「幸せの流れ」から外れてしまいます。
流れが止まると、水はよどんで腐っていく。
イチローさんも、村上春樹さんも、北野武さんも、スティーブ・ジョブズだって、ノラ・ジョーンズだって本田圭佑だって、みんな
「考えて、決めて、信じて、行動する」
のサイクルを繰り返しているからこそ、輝いて見えるんじゃないでしょうか。
禅僧の修行も、座禅を組んで心の内を観る「静」の修行と、掃除や畑仕事などの作務と呼ばれる「動」の修行の二つによって成り立っています。どちらが欠けてもいけないのです。
僕らが常に行っている「呼吸」もそう。
吸って、吐く、という二つの動作の連続がサイクルとなって、流れを生むのです。どちらかだけになったら、死ぬよね。
不安になると呼吸が浅くなるように、いちばんいいのは長くゆっくりとした呼吸です。
何事も焦らず、ゆっくりじっくり「瞑想」して、何度も間違えながら「迷走」していったら、いつのまにか幸せになっている。
力んで、ゆるんで、止まって、走って。
それが笑ってできてればいいんです。それがもう、幸せじゃないですか。