その日は朝から表現衝動というか創作意欲がハンパなかったんです。

歯も磨かずに書斎に駆け込んで、Evernoteにガンガン文章を書き殴ってた。人に伝わるようにまとめたり推敲したりするのは後でいいから、とにかく頭の中にあるものを吐き出さなくちゃって、焦って慌てて書いてたの。後ろからどでかい怪物に追いかけられてるような気分で。

そしたらお腹が痛くなってくるわけです。そりゃあ朝だし、コップいっぱいの水をガーッと飲んだから、刺激されたんだろうね。お尻の穴から出勤したがってるアイツがいる。

でも頭の中じゃ怪物に追いかけられてるから、自動書記法みたいに手が勝手にタイプして文章を紡ぎながらも、ウンコと怪物のどちらが怖いだろうか、とか真剣に考えてるボクがいる。

怪物に負けたら、昨日の夜の間にボクの頭の中で発酵した物語や言葉が霧散してしまう。

ウンコに負けたら、40歳で3人の子を持つ親でありながら「書斎でウンコを漏らしてしまう」という不名誉を人生に刻むことになる。

どっちを取るか。

人生は選択の連続だ。

ボクをボクたらしめる言葉を優先してウンコを漏らしても、それはそれで後になったら伝説として語り継がれるのではないか、少なくとも笑い話のネタとしてはかなりのレベルが残せるはずだ。

なんてことを眉間にしわを寄せて考えていたんだけど、気づいたらトイレの中にいて、気づいたらちゃんと出てました。

そんで、ウンコした後もちゃんと文章は書けました(笑)。ていうかむしろ、頭の中に静寂が訪れて、言葉がさらさら流れ出てくるようになった。

説教くさいことは言いたくないけど、ボクら人間が悩んだり不安になったりしてるときって、ウンコガマンしてるからなんですよ。

以前先生に「何かをガマンしてたら感謝なんてできないよね」って言われました。

何かをガマンしてたら、感謝もできないし、自分のことでいっぱいいっぱいになっちゃうよね。そんなん幸せになれないよね。

まず、ウンコしてください。

ガマンしてること、やっちゃってください。好きなことだけ、やってください。

ボクは40年間ガマンしてたウンコを出したら、すんげー身軽になれたんですよ。

人はウンコには勝てませんよ。あなたがガマンしてるウンコは何ー?

▶ そうだ、竜さんに話してみよう