最近、Webマガジンの準備をしていることもあってか「編集」についてよく考えます。
鳥山明さんを育ててジャンプの黄金時代を作った伝説の編集者・鳥嶋和彦さんのインタビューや、糸井重里さんがいろんな専門家とやる対談を読んだり、Webメディアを作っている人の話とかを聞いていると、僕も本当は編集のほうの人間なのかなあなんて思ったり。
書籍やメディアに限らず、表現やものづくりの世界には、「作家」と「編集者」がいます。作家というのは他にない独自の世界を創造する人ですが、それを一般層につなげるのが編集者だと僕は思っています。もうちょっと広げて言うと「専門家」と「つなぎ役」という感じでしょうか。
糸井重里さんが脳科学者だとかの専門家と対談しているものを読むと、すごくおもしろくてわかりやすいのは、糸井さんが僕ら一般のシロウトの立場であれこれ聞いてくれるからですよね。糸井さんは専門家と一般層をつなぐ架け橋となる「プロのシロウト」なわけです。たしかご自分でもそういうようなことを言っておられた気がするけど。
本を読んでよりわかりやすくエッセンスをまとめたり、イベントのレポートを書いたり、ガジェットのレビューを書くのだって、ものづくりをする作家ではもちろんなくて、既存の何かとまだそれを知らない人たちをつなぐ「架け橋」ですよね。
中には独創的な価値観や文章をブログで発信する人もいますが、そういう人は書籍のほうへ移行したり、やっぱりブロガーという呼称が似合わない気がします。今さら言うまでもないけど、やっぱりブロガーというのはある種の「編集者」だし、プロブロガーというのも「プロのシロウト」だと思うとなんだかしっくりきます。
なんでそんなことを考えたのかというと、自分自身を見つめてみたときに、ボクには「これだ!」という専門分野がないって気づいたからなんです。映画とかアウトドアとかバイクとか小説とか好きだったり得意だったりすることはたくさんあるけど、どれも抜きんでるほどではない。そこそこ。ヒマさえあればそればっかりやっている、というものがないんです。
そういう人が、いわゆる「編集者的発信者」「専門家と一般層の架け橋」になるんじゃないかな?って思ったんです。そうだとしたら、やっぱり個人が好きなことを書き散らす個人ブログよりも、それ相応の場所を用意したいなあとWebマガジンを思いついたのかもしれません。
明石家さんまさんの「ホンマでっかTV」とかマツコ・デラックスの「マツコの知らない世界」とかも、喋りに長けたエンターテイナーが専門的知識をポップに変換して、僕らに届けてくれているわけですよね。
これからは、インターネットにもあらゆる分野でそういう「ポップな架け橋」的な場所が増えていくような気がします。ボクにも何かそういうところでできることがあるんじゃないかと、日々ワクワクしているわけでして。
個人的には「企業にも個人にもできないこと」を、たくさん考えていけたらな〜と思ってます。なんか楽しいこと思いついたり、一緒に何かやりたいって思った人は連絡くださいねーチャオー!