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柏布団、というのを、はじめて知った。

禅のお坊さんは、掛け布団を使わないのだという。敷き布団に横になると、それを縦半分に折り曲げて、ときにヒモで縛って、柏餅にくるまれるようにようにして眠る。

驚いたのは、位の高いエライお坊さん、たとえば北鎌倉にある臨済宗の大本山、円覚寺の管長を務める老子なども、いまだにこの柏布団に寝ているという。

そして老子は「これがいい」と思っている、と。

生活そのものが修行である禅僧だからではなく、これがいいと、好きでやっている。

老子は学生の頃、「座禅をして暮らしていける、こんなにいいことはない」と仏門を叩いた人。そしてその通り、座禅をして生きてきた。ずっと、好きに生きてきた。

好きに生きる、って、いろんな形が、ある。

僕らは、限りなく自由なんだなあ、とあらためて思う。

……思いながら、ちょうど昨日、足先が冷えるという家人に、電気毛布を買ったところだ。