新宿をぶらぶらしていたら、煮干しの香りにひかれてゴールデン街へ迷いこんでいた。
若い頃映画を観るために毎週のように通っていた歌舞伎町、まだ明るくて白々しいホストクラブの通りをぬけ、ひたすら歩いて、NBAのウェアやバッシュを探してショップをハシゴしてたら、気づいたら三時間も経ってた。
ゴールデン街の〈凪〉本館は狭いと聞いていたので、すぐ近くにある別館へ。
なるほど煮干し笑。じつに煮干し笑。笑っちゃうくらい煮干し。すごい煮干しラーメンは本当にすごかった。
これだけ大量の煮干しの風味を成立させるためには、こんだけ濃厚になるのだね、と納得。
これだけ濃厚なスープをたっぷり持ちあげる、負けない麺は、こんだけ太くてねじれまくってないとね、と納得。
これだけクセと個性の強い一杯を成立させているバランスはさすが、と頷く。
こりゃ、必ずやまた食べなくなるな、と直感。
つるつるっと、まさに雲を呑むような、ワンタン風の平打ち麺がアクセントに最高で。
卓上にある煮干し入りのお酢。
途中で入れるとスープがまろやかになる。お酢って適量にすると、酸っぱさよりも、味の角を取ってくれる。最後まで楽しめる。ごちそうさんでした。