2021年10月14日木曜日に、生まれて二ヶ月ほどのラブラドール・レトリバーの仔犬をわが家に迎えました。
＿＿わが家、といっても、この夏、家族は別の場所で暮らすことになったので、傷心を抱えた中年男子が独りいるだけの、無駄に広い一軒家なんだけど。
いやあ、この頃は大変だったな、今思い出しても。
Instagramとかにあげてる写真なんかでは、もちろん、元気な様子、陰陽の陽を循環している自分を出してたけど、他の時間、＿＿独りでいるトキは、まだまだシンドかった、この頃は。
精神的にも身体的にもまだ満身創痍で、＿＿江ノ島まで車を運転していくって、それだけのことでも、何度も走ったR134の道中を事前に頭の中で綿密にシミュレーションして、心の準備を重ねて、深呼吸して、安定剤を飲んで落ちついて、みたいに段階を踏まないとできない感じで。
日常の一つ一つの行動が、まるで冬の雪山を登っているかのようなシビアさと用心さを必要としてね。
▲ ひたすら海辺を歩いたり……。
▲ 孤独な男の映画を観てみたり……。
▲ なぜか毎日飲んでたコーヒー・フロートにも救われてたなあ笑。
伝わらないかもしれないけれどさ、たとえば＿＿コンビニでサラダを選ぶときに、どっちを選ぶかで、もし間違えたら、クレバスから墜落して死んでしまうかもしれない、くらいの緊張感で暮らしてたよ。一瞬一瞬を。
ああいう特殊な精神状態を経験できたのは大きいよね。そういうのは、いつかどこかに何らかの形で書くことになると思うんだけど。
▲ まあ、極端に言えばね笑。
▲ たくさん映画を観て、自分を肯定して……。
▲ アン・ハサウェイは人の弱さをボクに素直に認めさせてくれるプリンセスだ。
だからってワケじゃないけど、ワンコの名前はなぜかはじめからアンって決まってた。
まあ、そんな調子で、＿＿生きのびるために生きる、みたいな独りの暮らしをしていたんだけど、アンがやってきて、そりゃあ大きく流れが変わりました。
いやあ、少しは想像していたけど、遙かに越えてったね、ワンコってやつは。
その存在感も、エナジーも、ボクの暮らしやリズムをぶっ壊してくれる自由っぷりもさ。
まだ仔犬だってのもあるけど、シンプルにさ、
＿＿めいっぱい、生きてるんだよ、コイツは。
余計なことなんか考えずに、自分の欲望にまっすぐに。
山田詠美さんが、
＿＿いい男は、自分の欲望に忠実なのよ。
みたいなことを言っていて、ウン、そうだよな、生きるって、そういうことだよな、って思い出した。
ワンコってさ、ついボクらは、寄りそって愛情を注いでくれる人間にとても近い存在、みたいに擬人化してしまうんだけど、実際はやっぱり狼の末裔であって、人間とはぜんぜん違う生き物なんだって。
もちろん、人間との愛情や感情の交流はあるんだけど、先立つのはやっぱり食べること、生きること、眠ること、みたいな原始的な欲望でね。
身も蓋もないことを言えば、そういった自分の欲望を満たしてくれるのが人間だということをちゃんと理解しているから、＿＿いつも人間を喜ばせたい、という気持ちを持っている、とも言えるんだって。
それはともかく、そんなワンコたちと同じでさ、
＿＿ボクら人間だって、長い目で人生を見るというか、嗚呼、ボクも必ず死ぬんだな、って気づくと、＿＿自分の欲望に忠実に生きる、ってのが真ん中にあって然るべき、
というかさ。
ウン、そんな話をしたかったわけじゃないんだけど、とにかくまあ、この日を境に、
＿＿自分の長い人生や、親父が死んでからのこの五年間で自分がどうなってしまったのか、それによって大切な人たちにどう接してきたのか、ボクはコレカラ、どうしたらいいんだー？
……なんて禅問答から抜けだして、ただただ毎日欲望に忠実に暴れ、糞尿を撒き散らす大型犬のパピーのリズムとエナジーと破壊力に引っぱられて、新しい風に吹かれ、次なる波に乗ることができた、というお話でした。
やっぱさ、痛いよ。まだ、痛え。哀しみや寂しさもやってくるし、苦しみや恐れはだいぶ減ったけど、たしかな傷がココにあるのはわかる。
胸が、ちゃんと、痛いんだ。たとえじゃなくてね、人間は、本当に、胸が苦しくなる。そういう時間はだいぶ減ったけど、それは、アンによるトコロもかなり大きいんだなって、最近また痛切に感じてる。
ってことで、YouTubeでも、こういうテキストでも、できる限り、自分のためにも、そして同じような境遇にいる人や、そうでない人にも、何かが届けば、循環できれば、と思って、アンとの暮らしを中心に、ボク自身の循環を時系列的に出していけたらと思っているよ。今んとこ、わかんないけど。
そうそう、まだぜんぜん編集できてないんだけど、ワンコとの暮らしって、やっぱテキストより動画の方が届くモノが多い気がするから、YouTubeでたくさん循環していきたいと思ってまーす！シェアとか登録とかしてねーありがとう😌
