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photo credit: Julie Edgley via photopin cc
多くの人が言うように、iPhoneのリマインダーアプリ『Due』はとても便利だ。起床・就寝の時刻から銀行振込の予定、ライブの先行予約日時、買うもの、誰かに言うべきこと、毎日・毎週のルーチンまで、あらゆる「やること」を知らせてくれる。

あまりにも正確に(当たり前だけど)、何度もしつこく、愚痴も言わずに律儀にタスクを伝えてくれるこのアプリは、毎日使っていると、次第に気心の知れた執事のようにすら思えてくる。


最近は執事に甘えるようになってきて、タスクやルーチン、To Doなどの「やること」以外のことも言ってもらうようにしている。

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「どんなときも、微笑みを絶やさずに、歩いていこう。」

どんなときも明るく笑っていたい。家族や大切な人にとって太陽でありたい。僕がいることで周りの世界が曇るのではなく、僕がいることで少しでも世界が明るくなればいい。

そんな殊勝なことを思う夜があっても、明日の朝になれば現実(それこそ矢継ぎ早にDueが通知してくるタスクの数々)に追われて、いつの間にか忘れてしまっている。だからそれもDueに言ってもらう。毎朝七時三十分に、ヘルメットとグローブを着けて家を出る直前に、執事にこうやって声をかけてもらうと、気分が乗らない日でも、心がふわりと軽くなる。

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「5分でも必ず本を読もう。それが君を成長させてくれる。」

午前中のハードワークを終えてようやく迎えたランチタイム。お弁当を食べながらFacebookやTwitterを覗いて、仲間たちの言葉に触れたくなるものだが、そんなときも執事がそっと囁いてくれるから、僕はiPadを閉じて、本のページをめくる。

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「大丈夫。深刻になることなんてひとつもないんだよ。」

仕事がうまくいかない。家族が塞ぎこんでいる。将来が不安だ。努力が実らない。先が見えない。

毎日どれだけ前向きに立っていようとしても、目の前の物事だけに心を奪われて落ち込んでしまうことがある。あらゆる苦悩は、終わってしまえば笑い飛ばせるということを経験から知っていても、僕らは不安に取り憑かれてしまう。深刻になっていいことなんてひとつもない。大丈夫、と誰かに言ってもらえば、自信を持って動き出すことができる。

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「今日も精いっぱいがんばったよ。結果は後からついてくる。ゆっくり休んで明日もコツコツやろう。」

不完全燃焼な一日というのもある。予定どおりに進まなくて、仕事やタスクが滞ってしまうと、不安や焦りをベッドに持ちこんでしまうかもしれない。だけど本当に大切なのは、今日という日の実りを認めて、結果は出ずとも精いっぱい頑張った自分を許して、平安な心で横になることだ。明日こそが、残りの人生の最初の一日だ。

未来の自分に向けたラブレター

従順な執事とは、もちろん僕自身のことだ。『Due』は、大切なことを忘れたり、ちょっとくじけたりしている未来の自分に、わずかながらの力を贈るラブレターみたいなものかもしれない。

毎週末になると、僕はラブレターの内容を書き改める。繁忙期で仕事に追われて余裕がないときには「人生のすべての瞬間を楽しもう」と書き添えたり、結果がついてこなくて焦燥感に襲われているときは「ウォーク・ドント・ラン」とつけ加えたり。

あなたも、未来の大切な自分に、愛の言葉をかけてあげてみてはいかがだろうか。やがてDueのチーンという執事を呼ぶ通知音が、あなたを支えるやさしい響きに聞こえてくるだろう。

執事と言えば、僕にとってはティム・バートン版バットマンの執事アルフレッドを演じたマイケル・ガフが思い浮かぶのだけれど、それはまた別のお話。

ウォーク・ドント・ラン。走りつづけることはできないよね、歩くんだよ、今日も、明日も、明後日も。 | CLOCK LIFE