2014年の夏に出かけた、オートバイ野宿独り旅のレポートをお届けします。
記念すべき人生初のソロキャンプツーリング初日は、真鶴半島を経由して、西伊豆のキャンプ場へ向かいます。(写真はクリックで拡大します)
【バイク旅行記04夏#2】真鶴から太平洋沿いを抜けて、西伊豆のキャンプ場へ。
2014夏・オートバイ独り旅1日目#1(茅ヶ崎〜真鶴半島)
荷積みからいよいよ出立
▲こんだけの荷物をオートバイに積んで旅立ちます。初めてだというのにガッツリ買いそろえました。たぶん十万円以上いってます笑えません(笑)。
▲ 愛車Kawasaki 250TRに積載完了。ウクレレケースを圧迫しないように積み込めたのが我ながらファインプレイ。
▲ 出立直前に家の前で撮影した著者近影。なんだこのぎこちないピースと浮かない顔は!
じつは一ヶ月前から野宿旅の準備を着々と進めて、道具を買いそろえながらウキウキしてたんだけど、いざ当日になったらちょっとビビってきちゃったんですよね。この頃ちょっと精神的にまいってたんで、不安というか面倒くさいというか……、待ちに待った出立の朝なのに、複雑な心境。
それでも気を取り直して、家族にしばしの別れを告げていよいよ出立。海岸沿いのR134は平日の午前中だというのに予想以上の混雑。オートバイならすり抜けできるから渋滞なんて関係なくスイスイだ〜、と思っていたんだけど、これだけの荷物を積んで走ったことがないから、フラフラしちゃってなかなかすり抜けができない。
でも「これは焦る必要のないあてのない旅じゃないか」と思い直して、ゆったりと渋滞に巻きこまれてみましたが、平塚から小田原をむすぶ西湘バイパスに入ると、さすがに渋滞も解消されてスイスイ。風を切りながら海岸沿いを走っているうちに、少しずつ気持ちも上がってきます。
▲ 西湘バイパス「西湘PA」へ着陸。
大荷物を見た警備員のおっちゃんに「日本一周ですか?」と訊かれ、旅慣れた風な口調で「まあ、そんなとこです」と応える僕。ウソです、日本一周なんてしません。関東近辺ちょろっとまわるだけですしかも今回が処女航海ですごめんなさい。
▲ 家を出てからまだ20分くらいしか走ってないんだけど、ここのPAはゆっくり海を眺められるのでいつも停まります。と思ったら沿岸の工事中で景観はイマイチだったけど。
▲ PAから海をバックに。セルフィ(自撮り)に慣れず顔が強ばる僕。
▲ 西湘PAといえばコレ!アサリと海の風味たっぷりの「アサリ潮騒ラーメン」を食べてエナジーチャージ!ここではこれしか食べてないなあ。詳細はこちらで→【小田原】海の風味たっぷり!西湘PA名物『あさり潮騒ラーメン』はあいかわらず美味しかった! | 茅ヶ崎ベース*
真鶴半島の思いがけない大自然にびっくり
西湘PAを出ると、西湘バイパス終点の石橋インターで降りて、海沿いのR135を進みます。
▲ R135の休憩場にて。荷物を積んだ走行にまだ慣れない。
いつも伊豆方面に向かうときには、真鶴市街の真下のトンネルを通過する「真鶴道路」という有料道路(普通車¥200・バイク¥150)を使うんだけど、気ままな独り旅なので、あえて旧道を進んで真鶴半島へ向かいます。
真鶴駅前の交差点を左折してどんどん下っていくと、次第に漁港の街の雰囲気が漂ってきます。こぢんまりとして牧歌的な商店街に、はっぴ姿の町民が多いなと思っていたら、どうやらお祭のようですね。
▲ この日は、漁港前の道路が御神輿のために封鎖されて、漁港内を迂回するようになっていました。いつもは入れないところなので逆にラッキー。
▲ さすが港町。こんなふうに飾り付けられた漁船があるんですねえ。鮮やかな色彩にしばらく目を奪われましたよ。
▲ そんな情緒あふれる漁港にて、なぜこんな険しい表情をしているのでしょうか(笑)。まわりに人がたくさんいたので虚勢を張っているのかもしれません。
▲ 漁港を抜けて、真鶴マリーナを横目にしばらく走っていくと、道路沿いにゴハン屋さんやお土産屋さんが見えてきました。海沿いには駐車場とトイレがあって、乗用車がたくさん駐まっています。
▲ ここは「琴ヶ浜」と呼ばれる岩場で、駐車場とトイレがあるため、ファミリーの磯遊びに人気のポイントのようです。
▲ 波も穏やかで、足場も悪くないので、小さい子どもたちと安全に遊べそうな場所です。
まだ家を出てからそれほど時間は経っていないのだが、こうして家族連れを見かけると心がわぎわぎしてくる。本来なら、独りでこんなところに来てないで、家族を連れてきて遊ばせてやらなくてはいけないんじゃないか、という父親としての責任感が首をもたげてくるのだ。
けれど僕はそういった焦燥や強迫観念から逃れるために、こうして独りで旅に出ているのだ。心を休ませるために。そう自分に言い聞かせて、にぎやかな岩場を後にした。
▲ 琴ヶ浜を抜けて急な坂を上がると、唐突に深い森に入っていく。
▲ 真鶴岬先端へ向かう三叉路にて。
森の中へ入りこんだ途端に、自分の肌が弛緩していくのがわかった。強烈な陽光は木々の枝にさえぎられ、緑と土の香りが濃厚になると、緊張して強ばっていたこころと体が、ふわっと軽くなるのだ。
▲ 三叉路から岬へ向かう一方通行に入ると、乗用車がすれ違えないほど道は狭くなっていく。
辺りは急に涼しくなって、野鳥がさえずる声が心地よい。ついさっきまで強烈な陽光を浴びながら交通量の多い国道を走っていたので、思いがけず深い自然に、驚嘆の溜息をもらしてしまった。
まだ家を出てから一時間ほどしか走ってないだろうに、すでにふだんなら信じられないくらいの非現実感を味わっていた。ちょっと足を伸ばせば、こんなに新鮮な空気を吸うことができるのか。
この感覚は、車で来ていては絶対に味わえないものだろう。車窓を開け放っていればそれなりの空気を感じることはできるかもしれないが、オートバイで風の中を進んでいくのとはわけが違う。車はいわば家の延長線上にある部屋にすぎない。こうしてその場所の本物の空気の中にいられるのは、やはりオートバイ旅の醍醐味の一つだろう。
▲ 今回の旅では、なるべくiPhoneを使わないというのがテーマの一つなので、岐路では、地図を出して道を確かめる。ふだんどこへ行くにもGoogleマップを使っているせいか、現在地がなかなか見つからなかったりと、はじめはだいぶ苦労した。
地図で見るとわかるけど、真鶴半島は半島と呼ぶのがおこがましいくらいの小さな突起のような地域だが、小さいながらも素敵な街と深い森があった。
東京から海沿いを走って伊豆方面へ向かう人は、たぶんみんな「真鶴道路」でスルーしてしまうのだろうけど、小一時間もあれば、この小さな半島の小さな物語を通過することができるので、時間があればぜひ行ってみてください。
伊豆半島に入れば、もっともっと深い森がたくさんあるけど、こんな手前でも、冷たい空気とマイナスイオンに、しばし癒やされること間違いなしです。僕は通りすぎただけだけど、半島の先端には駐車場と施設があって、いろいろ楽しめそうでしたよ。
次回は伊豆半島編です。
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