個人的に、ここ数年で一番刺さった映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

村上春樹さんも絶賛してましたねえ。

で、アカデミー賞4部門(作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞)を受賞したんだけど、けっきょく俳優陣は誰もオスカーもらってないんですな。

エドワード・ノートンの怪演もエマ・ストーンの存在感もあっぱれだったし、主演のマイケル・キートンはもう「これやってもらえなかったらいつもらえるの?」という感じで、最有力候補だったはず。

それなのに結局は、エディ・レッドメインという、若くてイケメンなイギリス人俳優に持っていかれちゃった。

そんなアカデミー賞の哀しい夜の奇跡が、ネットに転がっていたんです。


この映像、「今回は絶対俺だ!」と信じ切っていたマイケル・キートンが、落選を知った直後に、受賞スピーチの紙をタキシードのポケットにさりげなくしまうところ

ネットでは「哀しすぎる瞬間」として取りあげられてたけど、『バードマン』のこってりとした皮肉のオンパレードを味わった僕としては、キートンのドジとは思えないんですよねコレ(笑)。

ここまで含めてバードマンなんじゃないの?なんて邪推しちゃう。カメラクルーと打ち合わせして、タイミングとって映りよくちゃんと撮影したんじゃないかと。

まあ、それはないだろうけど、そうであっても不思議じゃないくらいに、映画本編と同じ流れで、これこそまさに(無知がもたらす予期せぬ奇跡)の映像ですよね(笑)。

この映画って、後でよくよく考えてみると誰もハッピーじゃないんです。芸術に携わる登場人物の誰もが、どこかイカレてて、幸せになってない。そしてその誰をも、痛切にブラックに皮肉ってる。おそろしい映画です。

ぼかあこんなキートンが愛おしいですけどねえ。

参考:アカデミー賞逃したマイケル・キートン、スピーチの紙を隠す姿が悲しすぎると全米が涙 – AOLニュース.

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