僕の旧い友人で、オーストラリアに住んでいる奴がいます。
学生時代からやんちゃな奴で、高校からイギリスへ渡り、スペインなどヨーロッパをふらふらして、と思ったら沖縄の離島に住んでいたり、茅ヶ崎にやってきたりと、神出鬼没な自由人てやつです。
彼はどうしていつ見ても楽しそうなんだろう?と考えたんだけど、彼には「イヤなことをやらない才能」があるんですね。
彼は若い頃、ぜんぜん勉強しなかった。得意なサッカーとか音楽とか、好きなことばかりやってた。
大人になっても、好きなところに住んで、好きなものを食べて、好きな人たちと暮らしている。
そう、イヤなことは一切やらず、やりたいことばかりをやってるんです。そんな奴が楽しくないわけない。
でも僕らは、イヤなこともやりますよね。
仕事だって人づきあいだって、イヤだけどしょうがないからやることがある。ノーと言うのは力業だし、常識を疑われるし、人も離れていくかもしれないから。まわりの人間関係や職場環境を壊したくないから。
でも彼にとっては「イヤなことをやらない」ことのほうが「今ある環境を守る」ことより、優先度が高いわけです。
僕の以前の職場にもこういう人がいて、その人は好きなことと嫌いなことがとてもハッキリしてた。
僕なんかは「何事もじっくり長所と短所を見比べて判断しよう」とか小賢しいことを考えるけど、その人は「いいんだよ俺は嫌いなんだから」って言う。むしろ気持ちがいい。スッキリ。
だから会社の方向性が急激に変わって、自分に合わないと判断した途端、すぐに転職していった。
「好きなことだけして生きていこう」って考えると、いろいろぶち当たるけど、「イヤなことをやらないで生きていこう」って考えると、また別の方法が見えてきたりします。
「頑張らなければ好きなことができない、と思っている限り、あなたは報われない。」
「好きなこと」だけして生きていく。(心屋仁之助)