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2015年の夏に出かけた「北海道野宿一人旅」の記録。

4日目は、襟裳岬近くの「百人浜オートキャンプ場」から、海沿いを北上して、まずは釧路を目指します。

前回はこちら

やっぱりここは日本じゃなかった!リトル・アメリカなんや!

7月30日 05:30 百人浜オートキャンプ場(北海道えりも町)

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▲ フリーズドライとハチミツ入り紅茶で瞬食。

この日はえりも町から釧路を経由して、根室の先くらいまで300kmほど走る予定なので、朝食はさっさとすませて出立したい。

ということで、アマノフーズさんから提供してもらったフリーズドライのリゾットと、ハチミツをたっぷり入れた紅茶でささっとすませました。

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▲ お湯を沸かすだけで、すぐに熱々のリゾットが食べられるのは本当に便利。

フリーズドライの詳細についてはこちら

07:30 出立

パッキングをしながら、タイムスリップしてきたヒッピーみたいな汚なカッコイイハーレー乗りのおいちゃんとしばし歓談。

「どこから来たんですか?」って訊こうと思ったんだけど、それ以前に「〜やさかい」とか「おおきに」とか、テレビでもあまり耳にしないようなコテコテの関西弁を話すので、勝手に納得。

そんなおいちゃん曰く

「ここは北海道とちゃうで。リトル・アメリカや」

今思い出すとちょっと笑っちゃうようなセリフだけど、あの全身を覆う本物の大自然の中で、日焼けしすぎてボロボロ皮が剥けたたくましい両腕を握りしめながら、とろけるような笑顔でそう言われると、僕はうんうんと頷くしかなかった。

まだ北海道の大地に飛び出て二日目だけど、たしかにここは日本じゃないや。小さなアメリカと言われたほうがしっくりくる。

町からすこし離れただけで、唐突に姿を現す本物の自然と、リアルな孤独。ここで倒れたら死ねるかもな、というぼんやりとした危機感は、いつもの日常には決してないもの。

そして僕はその後、この旅を通じて、北の果てにある土地故の運命(さだめ)や開拓民の歴史など、それまで知らなかった北海道の薄暗い部分を覗きこむことになるんだけど、それはまだ先のお話。

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▲ キャンプ場から北上すると、黄金道路という名の海岸線に出る。

おいちゃんの言葉をかみしめながら、これからそんな大陸を走破するのだという期待にニヤニヤしながら、リトル・アメリカの海岸線をひた走る。

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▲ 北海道でよく目にした光景。辺りは晴れているのに、すぐ先の山頂や岬は霧に覆われていて、あっという間に雨にやられることも多々あった。

北海道でいちばん長いトンネル・えりも黄金トンネル(4,941m)

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キャンプ場を出るときに、ハーレーおいちゃんの連れのおいちゃんに

「この先いくつもトンネルが続いてて、昨日までの雨で地面グチャグチャだから、跳ね返りでドロドロになるよ。下だけでもカッパ着てったほうがいいよ」

と教えてもらったんだけど、いやいやむしろ汚れたくて旅に出てるんだから、そのままいっちゃえー!と元気に飛び出したら、目に入りこんできたのは

「北海道でいちばん長いトンネル」

の文字。

イヤーーーー!さすがにドロドロのトンネルを5kmも走るとは聞いてないよーーーー!

おいちゃん大事なとこ言い忘れてるよーーーー!

ということで、ジーンズドロドロになりながら、いくつものトンネルを抜けて、いざ釧路へ。

でもね、気分は西部開拓時代のカウボーイみたいなもんだから、汚れなんてぜんっぜん気にならないの。むしろうれしい!(笑)

ガンガンぶちあたってくる虫くんたち!

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▲ シールドに直撃してきたかなり大きな虫くんの哀れな姿。

夏に東北道を車で走ると、フロントガラスに虫がバンバンぶつかってきてひどく汚れてしまうんだけど、オートバイでも同じ。

小さな虫がぶつかってくるのは何度も経験してたんだけど、このときはガツン!と大きな音がして、「シールド割れたんじゃね?」って心配しちゃったほどの大きな虫。

そしてその虫が何だったのかわからないんだけど、シールドには大量の死骸と体液ががが。さすがに気色悪かったので、路肩に駐めて拭き取りました。

虫とはいえ、勝手に君たちが住んでいるところに来てオートバイで爆走してごめんよ。

 

釧路和商市場で勝手に「勝手丼」を食べる!

えりも町から走ること約4時間。お昼ちょっと前に釧路に到着。初北海道で知らなかったんだけど、釧路ってのはこのへんの大都市なんですね。

さっきまで大自然のリトル・アメリカで虫や泥と格闘していたので、唐突にコンクリート・ジャングルに放りこまれてすこし狼狽えます。

というか、旅慣れたベテランバイカーじゃないから、単純に4時間もぶっ通しで走るとかなり疲れるんですね。

海鮮市場でゴハンを買って、場内のお店で買ったものをのっけて食べる「勝手丼」というやつは、旅に出る前からワクワクしていたんだけど、なんか疲労困憊でテンション低め(笑)。

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▲ 釧路の有名な海鮮市場「和商市場」にて。

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▲ これが僕の「勝手丼」

それでも実際に自分で好きなモノを選んでオリジナル丼を作ってみたら、だんだん楽しくなってきたぞーーー!

ウニを一面に敷いた上にイクラやトキシラズ(夏の鮭)、ホッケの刺身なんかをのっけたので、3000円近くなっちゃったけど、すんげーおいしかったー!

ふだんならこんな高いの絶対食べないけど、こういう滅多に来ない場所では、アホみたいにお金を使ったほうが楽しいのは経験からわかってます。

こういところでケチると、帰ってきてから絶対後悔するから。「もうウニなんていらねー!」と思うくらい食べなくっちゃ。

和商市場の勝手丼の詳細はこちら

次回へ続く→

 イマココ

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