今、わが家は過去最高に幸せだと言ってイイでしょう。
高校生の長男は思春期でブスッとしてることが多いけど、小学生の姉妹はしょっちゅうケンカしてるけど、ママは仕事で疲れていつも眠そうだけど、パパは幸福度と同様に体重も過去マックスになりつつあるけど、
それでもやっぱり、人生で今がいちばん幸せ!
それは、僕らの家族がバラバラだからだと思うんです。
家族全員が好きなことをやっている
僕らの家族は毎日、みんな好きなことだけやってます。
夏休みだからみんな家にいるんだけど、みんな基本的には別々のことをやってる。
僕は海へ行って、旅に出て、おもしろそうなモノを買って、本やマンガを読んで、映画を見て、ブログを書いて、おいしいもの食べて、人の相談に乗って心の縛りを解いたり、昼寝したり。
家内は、今やってる介護の仕事が本当に性に合っているようで、シフト入れまくってガンガン働いて、休日も研修に行って、家ではお菓子を作ったり、週末の晩には一人でドライブへ出かけたり。
長男は部活へ行ったり、友だちと映画を見にいったり、お祭りへ行ったり、勉強してみたり。
二人の娘も毎日気の向くまま、ろくに宿題もやらずに、iPadで遊んだり、ニャンコとじゃれたり、公園で泥んこになったり、一日中hulu見てたり。
こうやって書き出すと、家族でどこかへ行ったり、一緒に何かをしたり、という時間がないように見えます。いや、実際にあんまりないんです(笑)。
今年はパパがふらりと北海道へ行っちゃったし、いろいろ忙しいので夏の家族旅行もなし。毎年恒例のおじいちゃんちも今年はワケあってなし。
イベントというイベントがないのに、それでもみんなが最高に幸せそうに見えるのは、みんなバラバラに、好きなことだけやってるからなんです。
「幸せな家族」と「理想の家族」
かつての僕は、幸せな家族というものは、なるべくいつも一緒にいて、喜怒哀楽を分かち合い、なるべくたくさんの想い出を共有するものだと思っていました。
だから夕食時にはテレビを消して家族の会話を大切にしたし、一日に一度はみんなそろって話す機会を設けたり、キャンプや旅行など、休日には家族全員が参加するイベントを開くようにしていました。
週末の夜には必ず夫婦の時間を作って、映画を見たり、お酒を飲んだりして「意図的に」時間を共有していました。
でもね、それは「幸せな家族」ではなくて、「理想の家族」だったんです。
しかも「幸せな家族」を知らない僕が、勝手にでっちあげた、夢を見た「理想の家族」。
「幸せな家族」というのは、家族の一人一人が、幸せだということです。
40をすぎたおっさんのパパも、こころが不安定な思春期の長男も、まだ幼い小学生の娘も、みんなが幸せだということ。
でもね、家族全員が、いつも同じ場所で、同じことをやっていて、みんなが幸せになんかなれないんです。誰かが、いつもムリをしている。
海へ遊びに行けば、パパや子どもたちは楽しいけれど、ママは暑いところが苦手だし、みんなのお世話が大変。
ショッピングモールへお買い物へ行けば、大人は楽しいけれど、子どもたちはガマンの時間の方が多い。
みんなキャンプは好きだけれど、だんだん長男は行きたがらなくなってきてる。
ゴハンを食べながら一日の話をしたって、大人はうれしいけど、子どもはめんどくさそう。
それぞれ年齢も経験も価値観も違うんだから、「幸せ」というのは家族間であっても違うはずなのに
「家族というのはいつも一緒にいるべきものだ」
という、よくわからない一言のみで、僕はこれまでムリをして生きてきたんです。
バラバラだからこそ、家族に本物の「愛情」が生まれる。
僕は本当は一人で北海道を旅してみたかった。
ママは大好きな仕事をめいっぱいやってみたかった。
長男は家族といるより友だちと遊びに行きたいし、娘たちはお菓子とアニメが一番。
そんなふうにみんながワガママになったら、家族の心がバラバラになっちゃうって?
いやいや、まったく「逆」です。
ふだん自分の好きなことしかやってない僕らは、逆に家族が大好きなんです。
ふだん「自分」を大切にできているから、家族の大切さがよりわかるんです。
お互いの「自分らしく」を認めているから、お互いにやさしくなるんです。
「楽しいこと」ばっかりやってるから、家族の「楽しいこと」にも協力したくなるんです。
そして、ちょっぴり寂しくなるんです。
それぞれが別の好きなことに没頭しているから、そうでない時間には、寄り添いたくなる。抱きしめたくなる。すべてを許されるし、許せる。
だから、一緒にいるときは本当に仲良し。
「たまには子どもたちを遊びに連れて行かなきゃいけない」
といって遊園地へ行くのではなく、
「いつも僕に好きにさせてくれてる子どもたちを喜ばせたい!」
という気持ちで連れていくようになる。
どんなに仲のいい家族だってね、一つ屋根の下で同じことばっかりしてたら息が詰まりますよ。
家族や子どもを自由にさせたら、あなた自身も自由になれる。みんなが自由になったら、笑顔で自然と寄り添ってくる。それが本当に幸せな家族ってやつじゃないでしょうか。
とりあえず、毎日子どもたちに「夏休みの宿題やりなさい!」って怒鳴るのやめませんか?
あれはね、終わる三日前に悲鳴をあげながらやるもんだって、昔から決まってるんですから(笑)。
▶連絡先:りゅう