映画

『悲しみの忘れ方』のあったかい悲しみを、ボクは決して忘れないよ。

ちょっと前に、映画友だちに誘われて(世の中にはそういう友だちもいるのだ)、池袋まで映画を見にいってきたの。

タイトルは「悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46」

そう、乃木坂46っていうアイドルのドキュメンタリーよ。

ええとね、ぶっちゃけ「ないわ〜」って思いました。

そもそもアイドルグループに1ミリも興味がない上に、最近は「東京キラーイ!毎日茅ヶ崎で海見てたーい!」ってなってるもんだから、映画を観るためだけに池袋まで出向くなんて、そりゃないわ〜ですよ。

じゃあ、なんで行ったのかっていうとね、

なんかね、

トキメいたの。

もう、そんだけ。

ビビッときた、というか、引っかかった、というか、ピキーン!って音がしたというか。

まあまたこの誘ってくれた映画友だちというのが、毎月100人以上の参加者を集めて「映画ファンの集い」とか開催して、試写会とかバンバンやっちゃうやり手のおにいさんとその仲間たちなのね。

そういう人たちだからもう毎月何十本と映画を見ていて、しかもボクみたいなおじさんがアイドルグループに興味がないことだってわかってるのに、それでも誘ってくれるんだから、何かあるんだろうと思ったわけ。

 

ハイ、号泣でーす。

おじさん、全身鳥肌でーす。

すでに何度も見ている映画友だちAとBの間に座って、おじさんのお目々からもお水がポロポロ出てきましたよ。

鑑賞直後の感想をひとことで言うと

「ずりーよ!」

でした(笑)。

イヤホントずるいんだよー!

こんなもん誰でも泣くわー!

「普遍」って意味わかる?

広辞苑によれば

「あまねくゆきわたること。すべてのものに共通に存すること」

つまり、親を持つ子ども、子どもを持つ親なら、みーんなが通る道を、じっくり丁寧に描いた「本物の物語」ってわけさ。

親がいるあなた、子どもがいるあなた、みーんなに共通する普遍の物語ってわけさ。

ちょっとだけ具体的な部分を書いておくとね、

ようは、昨日までどこにでもいるふつうの女の子だった少女たちが、いきなりアイドルになって、しかも秋元康さんが仕組んだ苛烈な競争社会にぽーんと放りこまれて、泣いたり笑ったり苦しんだり挫折したりしながら、どんどん成長して輝いていくんだけど、その猛烈なスピードと変化についていけない親の切なさがあるわけ。

「私がいなければ何もできなかった娘が、どんどん遠くへ行ってしまう」

という、親なら誰もが感じる、複雑で切ない「さみしさ」。

子どもたちはね、親が思っているよりずっとたくましいし、頭もいいし、世界の理を理解しているよ。

逆に親である大人たちのほうが、子ども離れできなくて、体裁と外面ばかりを気にして、死ぬ気で何かに立ち向かうことすらできない弱い存在だったりする。

それはあなたのことだし、あなたを育ててくれた親のことだし、あなたの子どものこと。

ただでさえ、田舎で育った純真な少女たちがショウビジネスの大人の世界に揉まれて成長していく姿を見るだけで鳥肌が立つよ。

がんばってがんばって、泣いて叫いて苦しんで、ステージでこれまでの日々の積み重ねが「昇華」されるところを見るだけで、誰だって心を打たれるよ。

ボクはよく「がんばっちゃダメ」って言うけど、それとは違うお話ね。

それだけでもグッとくるのに、その少女一人一人のリアルな生活や生まれ育った街、親との関係性をリアルに描いているから、もうおじさんやられちゃうよね。

実家で過ごすシーンとか、育った街のシーンとか、いじめられていた過去とか、学校でのこととか、本当の本物のリアルが、ぐいぐいぐいぐい迫ってくる。

ドキュメンタリー映画ってこういうことか!って思ったよ。

やっぱり誘われたときの「トキメキ」は嘘じゃなかったわー。

ちょっとビックリするくらいの、「あったかい悲しみ」を味わうことができたもの。

そう、この映画を見て流れる涙はあったかいの。切ないけど、甘いの。

ボクはこの悲しみを忘れないよ。

たぶんあなたも、これを見たら、この切ない悲しみをずっと背負って、人の親として、人の子どもとしての自分を感じながら、今まで以上に健気に生きていくことになると思う。

親は子どもを、子どもは親を、あらためて大切に思える。そんな素敵な作品でした。

ちなみに先日Apple Musicに乃木坂46が入ったので、おじさんさっきも聞いて泣いてましたけど。

*柳下さん、いつも素敵な映画をありがとねー!→Cinema A La Carte

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