映画『インサイド・ヘッド』の主人公は、ヨロコビとカナシミの二人です。

でも、僕らが幸せになるために、カナシミって必要?

主人公の少女・ライリーの頭の中(インサイド・ヘッド)では、5つの感情がそれぞれの役割をこなしながら、「ライリーを幸せにする」ために、毎日奮闘しています。

  • ヨロコビ・・・ ハッピーな気持ちにさせる
  • ビビリ・・・ 危険や恐怖から身を守る
  • ムカムカ・・・ 嫌なものを遠ざける
  • イカリ・・・ 怒りを爆発させる
  • カナシミ・・・ ???

でも、カナシミだけは、その役割がわからないんです。

カナシミがあるから、僕らは幸せになれる(以下ネタバレ)

感情たちのリーダー「ヨロコビ」はいつも、「カナシミ」をあまり働かせないようにします。カナシミが表に出たら、ライリーが幸せになれないから。

だから、つらいことがあっても、無理やりヨロコビの感情を働かせようとする。

でもそれって、ライリーは幸せなんでしょうか?

本当はつらいのに、本当は不安なのに、本当は怒っているのに、本当は悲しいのに、無理やり、ポジティブな気持ちになろうとする。

わかりますか?

これが、僕ら大人が、毎日やっていることです。

本当は仕事なんて行きたくないのに、

本当は「イヤだ!」って言いたいのに、

本当は笑顔なんて見せたくないのに、

無理やり、ヨロコビを働かせている。

無理やり、笑っている。

それが、社会で一生懸命働く、立派な大人である、あなたなんです。

 ハッピーな言葉でごまかさないで!

つらかったら泣いていいんです。

イヤだったらそう言っていいんです。

でもあなたは「そんなことはできない」と言うでしょう。

本当ですか?誰かがそう言いました?

親が言った?

それは子どもの頃の話でしょう。あなたはもう立派な大人で、親の言うことなんて聞かなくていいじゃないですか。

他の誰でもない、あなた自身が、そう決めつけているだけなんじゃないですか?

僕らは毎日、無理やり「ヨロコビ」ばかりを働かせて、「カナシミ」をなかったことにして生きているんです。

ヨロコビにすり替えて、ごまかしている。

いつも、希望や光のある言葉ばかり連発している人がいませんか?

「感謝」とか「ありがとう」とか「幸せ」とか「愛してる」とか、そういう言葉を使う人ほど、心の中の「カナシミ」をごまかして、すり替えて、なかったことにしているんです。

「カナシミ」が出てくるのが怖いから、ずーっと「ヨロコビ」ばかりを働かせているんです。

 

かつての僕がそうでした。

毎日FacebookやTwitterにそういう光のある言葉ばかり並べていたけれど、本当は「つらくてしょうがない自分」に気がつくのがイヤで、そういう言葉を発することで、事実から目を背けていたんです。

「カナシミ」をごまかさないで、泣いてください。

あなたの涙を見た誰かが、手をさしのべてくれます。

弱音を吐いたあなたに、声をかけてくれます。

一人じゃできなかったことが、どんどんできるようになります。

悲しんだっていいんだって思えれば、自分を許すことができます。

「ヨロコビ」はときとして悪役になるんです。つらいあなたを無理やりがんばらせる悪いやつ。

「カナシミ」のほうが、ずっとずっとやさしい。

泣いていいんだよ。

つらいって言っていいんだよ。

「カナシミ」があるおかげで、僕らは自分が本当に好きなものを思い出して、幸せになることができます。

「カナシミ」と、もっと仲良くしてみませんか。

「相談メール」もお待ちしております。

▶連絡先:りゅう