フジテレビの連日の宣伝攻勢にまんまとやられて、レイトショーで映画『HERO』を見てきました。
テレビドラマの映画版を劇場で見るのはたぶんはじめてだったと思うんだけど、すごくよかったですよ!
城西支部は映画でも爆笑の連続!
序盤は笑いの連続。いつものように八嶋智人さんや小日向文世さんといった個性派俳優を中心に、『HERO』らしい箱庭コメディが展開されて、劇場は笑いに包まれました。
この映画のいいところは、
「映画だからって気負わずに、ドラマをそのまま二時間枠にスケールアップした作品」
ということでしょう。
『踊る大捜査線』もそうだけど、何より作品の世界観に重きを置いているから、物語の設定が大きくなってもちゃんと楽しめる。
大作映画のスケールに合わせるために大使館を舞台にしたのはちょっと無理があったかもしれないけど、その辺の「ありえなさ」も含めて、僕の大好きな『HERO』でよかったです(笑)。
雨宮(松たか子)があいかわらず愛らしくて、やきもきするぜ!
過去シリーズのヒロインだった雨宮舞子(松たか子)が、序盤からガンガン出てきて、ちょっとびっくり。北川景子メインでチョイ役なのかと思ったら、やはりこの作品のヒロインは一貫して雨宮なんですね。雨宮ファンとしてはうれしいところ。
雨宮はあいかわらず雨宮!ガンコで意地っぱりで、くそまじめでおっちょこちょいでしつこい。それがとっても愛らしい。
この雨宮と久利生(木村拓哉)の意地の張り合いが、この映画の恋愛要素の大事なところで、うまいこと僕らはやきもきさせられるわけです。
「おいおい、素直になったらええがな〜」「そこでブチューっとせんかい!」「もどかしすぎるわ!」ってね。
ちなみに、牛丸次席にそっくりだという娘さん、本作ではしっかり顔が出てましたよ!
「ああ、そういうことか!www」と納得のキャスティングなんだけど、なぜか本当に一瞬で、それがまた笑えすぎで、たまりませんでした。
ちなみにこういうテレビ局主導の映画版ドラマって、「こんなの映画じゃないよ(笑)」って感じる人もいると思うんだけど、僕は初めて劇場でしっかり鑑賞して、「ああ、こういうのも映画なんだよな」と、深く頷いてました。
映画に型なんてないんですから。
この映画版『HERO』は、連続ドラマでも、スペシャル2時間枠でも作れない、やっぱり映画でしか表現できない『HERO』なんです。
誰だってHEROになれるんだ!
後半で、雨宮が主人公・久利生公平について語るシーンがあります。
「久利生さんは、変わり者で、自分勝手で、ガンコで、意地っぱりで、しつこくて、常識外れで、迷惑ばっかりかけるけど、大切なことを教えてくれる人」
みたいな感じ。かなりうろ覚えなので間違ってるかもしれないけど。
ここで大事なのは「大切なことを教えてくれる人」ではなく、むしろ前半の「自分勝手・常識外れ・迷惑」といった、一見マイナスに見えるところ。
これらの特徴って、よくあるヒーロー像ですよね。かなりベタな設定。
でもね、よく考えたら、こういう一見マイナスの「常識外れ」だからこそ、久利生公平はヒーローなんです。
つまり最近僕がずっと言っているように、ぜんぶ「逆」なんです。
ふつうは、上司の言うことをしっかり守って、チームワークを大切にして、迷惑をかけないようにバランスよく仕事をこなすのが、いわゆる「仕事のできる検事」なわけです。検事じゃなくたって、僕らだってそういう風に教えられてきましたよね。
でも久利生検事は、すべてがその「逆」。
「正義を貫く」という信念のもとに、いつも自分勝手で他人に迷惑かけまくる変わり者だからこそ、ヒーローになれるわけです。
ヒーローとそうでない人の違いは、これまでの常識の「逆」ができるかどうか。
そう考えると、僕だってヒーローになれる気がしてきました。いや、絶対、なれる。
久利生検事と目指すところは違うけど、「自分勝手で、迷惑ばかりかける、変わり者」というポイントはすでに押さえているので(笑)、僕がヒーローになる日も遠くないでしょう。