映画

大人の灰色の日常をワクワクの夏休みに戻してくれる映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』

チビたちと映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』を見てきました。

結論から言うと、ズバリ「大人が見るべき映画」です!

仕事や家事育児など「やらなきゃいけないこと」ばかりに追われてるあなたを、大人の灰色の日常から、子どもの頃の輝く夏休みに戻してくれる映画です!

「コワイ」のはアタリマエー!

主人公の女の子が枝に引っかかった凧をとるために木に登るシーン。怖くなって下を向くと、元飛行機乗りのおじいさんは言います。

「コワイのはアタリマエ。だから登らせたんだよ」

そう、おじいさんの言うとおり、「生きる」って基本的には、コワイんです。

でも、コワくても勇気を出して木に登るから、新しい世界が見える。

高い木の上からしか見えない景色を見て、ワアーって目を輝かせて、ワクワク興奮しちゃう。

子どもの頃って、そういうワクワクの連続だったはずです。だから毎日が輝いていたし、瞬間瞬間に集中しているから、一日がとっても濃くて長かったはず。

木に登るのも、虫をつかまえるのも、ママに内緒でチョコレートを食べちゃうのも、新しい友だちを作るのも、いつだってはじめはとってもコワイけれど、それでも進むから、毎日がワクワクに包まれていた。

人生はそんなワクワクばかりの冒険だったはずなのに、大人になると、そのコワさをなくそうとするから、「やらなくちゃいけないこと」ばっかりになっちゃう。

お金がなくなるのがコワイから、せっせと貯金する。

病気になったり家族が死んだときお金がないとコワイから、保険に入る。

嫌われるのがコワイから、自分を押し殺して他人に会わせる。

失敗するのがコワイから、イヤな仕事でも続ける。

そうやって、コワくないようにしたら、ワクワクなんてないよね。

コワイのは、アタリマエ〜。

コワいのをなくそうとするのやめて、コワくても木に登ってみませんか?落ちても、たぶん死なないよ。

あそこまで子どもに押しつけてばかりのママはいねえよ、って笑える?

主人公のお母さんは、女手一つで育てていることもあって、仕事にも教育にもとっても熱心。

女の子の幸せを願うあまりに、大人になるまでの数年分のスケジュールを分単位で管理して、完璧なレールを敷いています。

このママを見て「ここまでやるやつはいねえよー!」と思った人、本当にそう?

かなり大袈裟にデフォルメしてはいるけど、あなただってお子さんを管理しすぎてやいませんか?

僕もそうだったけど、大人はいつの間にか、子どもを愛するあまりに自分のコントロール下に置こうとしてしまうものです。

「この子はまだ子どもだから、私が管理してあげなければ幸せになれない」というのは、お子さんを信用できていないということかもしれません。

「ほっといてもきっと素敵な大人になる」って信じてあげることが

お子さんの本当の幸せかもしれませんよ。

主人公の女の子には名前がない

本作の主人公には名前がありません。

お母さんにも、元飛行士のおじいさんにも、じつは登場人物の誰にも固有名詞がないんですね。

それは、この物語が、僕らみんなに共通する物語だから。

お母さんに管理されてきゅうくつな思いをしている「女の子」

子どもを愛するあまりに縛りつけてしまう「お母さん」

いろんなものを持っているのに、まだまだ欲しがる「ビジネスマン」

他人にほめられることが人生の目的になっている「うぬぼれ男」

すべての子どもを従順な同じ大人にしようとする「教師」

いつの時代にも、どこにでもいる人々の因果のようなものが、わかりやすいキャラクターに描かれています。

「星の王子さま」がピンとこなかった大人へ

この映画は、世界的に有名な絵本「星の王子さま」を引き継ぐ物語として制作されていますが、言い換えれば本作は、子どもの頃に「星の王子さま」を読んでもピンとこないまま成長した大人たちへの、もうひとつの答えだと言えるかもしれません。

そもそも原作者のサン・テグジュペリが言うように「星の王子さま」は、大人に向けて(一人の友人を励ますために)書かれた本です。

なので、ピンとこない子どもがいても不思議ではないのでしょう。

かく言う僕もそうでした。

けれど大人になった今、現代風にアレンジした展開と、最新の技術によって描かれる溜息が出るほど美しい映像によって、絵本だけでは伝わりにくいテーマが、ありありと甦っています。

「心で見た時だけ、本当のことがわかる。大切なものは……目に見えないんだよ」

お金や仕事や常識に縛られてしまう大人になった今こそ、自分にしかない「心のコンパス」を信じてみたいと思いました。

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