コラム/エッセイ

僕らを茅ヶ崎に連れてきてくれたのは、生まれたばかりの長女だった。

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今日は長女の11回目の誕生日。ああ、こんなすばらしいことってあるでしょうか。

11年前といえば、まだ僕がアホ面下げて「オレ小説家になるんだ〜ウヘヘヘ」とか言いながら、小説も書かずにテキトーに仕事して酒ばっか飲んでぷらぷら遊んでいた頃。

彼女が生まれてきてくれたおかげで、僕はようやく「オレもどうやら父親らしい」と気づいて、ちゃんとしようと思えたのでした。

すでに長男はいたんですけどね。男っていうのは根っこがバカですから、子ども一人じゃ父親の自覚なんて芽生えません。

僕の経験で言うと、一人目は「オレ子どもいるんだぜっていう自慢」、二人目でようやく「父親の自覚」、そんで三人目で「自分は揺るがない家族の一員なんだ」という気持ちになります。

それはさておき、さすがにちゃんとしなくちゃと思った11年前の僕は、とにかく就職してちゃんと働こう→就職したら好きな場所に住めないかもしれない→好きな場所に引っ越してから就職しよう→海の近くに住みたい→と、安易な考えで茅ヶ崎へ移住してきたのです。

茅ヶ崎に越してから何年経ったのだろう?と考えるとき、僕はいつも長女の年齢を思い出します。

彼女が僕らをここへ連れてきてくれたんですね。

もっと振り返れば、長男が僕とママちゃんを生涯の伴侶にしてくれた。

そう考えると、次女が生まれたおかげで料理人をやめて、自分に向いてない仕事を経て、今はこうして好きなことをして生きている。

結婚も移住も仕事も、ぜーんぶ子どもたちがくれたプレゼントだった。

いつも無計画なメイクラブで子どもができて、後手後手に回ってばかりの人生のよう気がしていたけど、こんなだらしない僕ですら、すべてがうまく回っていたんだと思うと、ありがたくって涙が出てきます。ぐすん。

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▲ 10年前の今よりもっと馬鹿だった頃の僕と長女。この軽バン今でも乗りたいな〜!

子どもの誕生日っていつも、プレゼントを贈ったり好きなごちそうやケーキを用意したりして、本人を喜ばせようとするけど、よくよく考えてみると、彼らの笑顔を見て一番喜んでいるのは僕らのほうなんだなあ。

やっぱり僕らって、生きてるだけで誰かを幸せにしてる。

だからもしよかったら、これを読んでくれたあなたも、会ったこともないうちの長女に、心の中でいいので「おめでとう」って言ってあげてくれませんか。

そんでもし、ちょっと心が温まったら、自分の身近な誰かを、できる範囲で、ちょっとだけ、喜ばせてあげてください。

子どもを抱きしめるとか、親に電話するとか、いつも話もしない同僚に声をかけるとか、お皿を洗ってあげるとか。

ああ、我ながらなんていいことを思いつくんだろう。

みんながみんな、喜びや感謝を返すんじゃなくて、前へ前へと進めていったら、世界はどんどん明るくなるじゃないか!

ん?『ペイ・フォワード』?そんな映画あるの?オスメントくん?いや、知らないけど。

anyway, みんなおめでとう。みんな生まれてきてくれてありがとう。

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