『8 mile』って、世界的ラッパー・エミネムの生い立ちみたいなのんをフィクションで描いた映画があるんだけど、これひとことで言うと
逃げちゃダメだ!
っていう映画なんだ。
トレーラーに住んでるデトロイトの貧困層の生まれの主人公ラビットは、不条理な人生でも、それでもマジメに働きつつ、ラップで身を立てようと夢見てる。
友人に誘われてクラブのラップバトルに出てみたり、他の友人のツテでデビューへの道を模索したり、白人でもラップのスキルは抜群だから、まわりにもプッシュされて、あれこれやるんだけど、けっきょくうまくいかない。
なんでかっていうと、本人気づいてないんだけど
マジになってない。
夢に向かってない。
逃げてる。
んだよな。
本人はすげえ深刻で真剣で、毎日懸命にやってるつもりなんだけど、深いところで、腹の底で、ガチで本気で夢に立ち向かってないんだ。覚悟ってやつが、ねえ。ビビってる。
物語としては、トラブルがバンバン起きながら、主人公がもじもじなかなか動かないから、フラストレーションが溜まりまくって、クライマックスでドカーン!と爆発するカタルシスが気持ちいいんだけど。
俺これすげえよくわかるんだ。自分がそうだったから。
いつまでも夢が叶わない人は、叶えようとしてない。
だけなんだわ。本人気づかないんだけどな。
夢が叶うのが、怖いんだよ。
本人気づかないんだけどな。
夢を叶える方法知ってる?
知らない?
いや、知ってるはずだよ。
小説家になりたかったら、毎日小説を書く、んだよ。本を読んだり、小説教室行ったり、文章読本で勉強したり、小説家志望の仲間をつくるんじゃないんだよ。書く、んだよ。
お店を開店したいんだったら、物件を探す、んだよ。金を借りるんだよ。メニューを考えるんだよ。勉強したり、計画してるんじゃなくて、店を、開くんだよ。
プロブロガーになりたかったら、毎日10記事書くんだよ。
何でもそうだろ?
俺もずっと逃げて、回り道してた。ぐるぐる回って、いつも同じところへ辿り着くっていうな。
夢のまわりをぐるぐるして、夢が叶うときに発生するイヤなことから逃げてたんだよな。
夢を叶える人は、夢、なんて言葉使わないよな。
「夢がある」なんて言っていいのは、キング牧師と幼稚園児だけだぜ。
ラビットもさ、仲間のツテとかプッシュに寄りかかってあれこれやったあげく、けっきょくうまくいかなくて、最後はようやっと、自分でやるって、決めるんだ。自分で、やる、って。自分で、やるって。もっかい言うぞ。自分で、やるって。
俺むかし鬱になって会社やめて絶望したあと、「我」ってやつを捨てて、他人を頼っていいってことを知って、すごく生きるのが楽になったんだ。
でもさ、他人に頼っていいっていうのは、仲間と力を合わせて何かをやる、ってことじゃないんだよな。
自分が好きなことを、ワガママに、好きなようにやって、できないことを誰かに頼んだり、うまくいかなかったら助けを求めたり、自分本位で生きていいってことなんだよ。
自分で、やる。
でも、できないよな。
だったら、やめちまえ。
あきらめたら、世界はやさしいぜ。
まあいいや。こんなことを書くつもりじゃなかったんだ。
でも、あきらめるって、じつはスタートだったりする。LET IT GOって、あきらめるってこと。
あきらめきれないなら、ラビットみたいに、覚悟決めるしかねえ。自分で、やる、んだ。
それより、ヒロイン役のブリタニー・マーフィって女優好きだったんだけど、この後死んじゃうんだよ。工場の裏でするファックがエロいことエロいこと笑。
彼女が歌ってる『ハッピーフィート』すごいぜ。胸にグッとくる。R.I.P. ずっと愛してるぜ。