中学生の頃大好きで何度も見ていた『摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に』って映画がAmazonプライム・ビデオにあったので、十数年ぶりに見た。

原題が『The Secret of My Success(僕の成功の秘密)』ってなわけで、カンザスの田舎から出てきた野望に溢れる青年が、ニューヨークでハチャメチャやって立身出世するっていう、底抜けに明るい80年代ならではのコメディなんだけど、おっさんになった今あらためて見ると、マイケル・J・フォックスの若いエネルギーがひどく眩しい。

今みたいにアメリカの闇が見えていなかった〈陽〉の時代だったというのもあってか、登場人物みんなが元気だしエネルギッシュだし明るくて、ストーリー云々じゃなくて、活力をもらえる。

僕がカウンセリングとか人生相談みたいなことをやっていた頃も、成功してるっていうか人気のあるカウンセラーって、みんな元気で明るくて活力に満ちてた。技術的に達者であるとかの前に、人はエネルギーのある人に会いたくなるものだからね。

僕も当時、海でひととおり話した後に、「竜さんの言ってることは半分くらいしかわからなかったけど、とにかく元気が出ました、ありがとう!」って言われることが多々あって、僕自身は苦笑していたものだけど、今思えば、元気になって笑顔で帰ってもらえることが一番だったのかもしれないな。人と話すって、そんなもんでいいのかもな。

作中でマイケル・J・フォックスが演じる青年は、何があってもへこたれない。アテにしていた会社が倒産しても、豚小屋みたいな部屋に住むことになっても、むしろ闘志を燃やしちゃう。

どんな高尚な理屈より、笑顔と元気こそが人生の〈The Secret Of My Success〉かもね。

あの買収しようとする悪役のドナルド・ダベンポートって、やっぱモデルはトランプだろうなあ。悪い顔してんだよなあ。元気出していきましょ。チャオ。