俺が若い頃は、テレビをつけたらまず必ずフジテレビにチャンネルを合わせていたもんだ。ドラマでもバラエティでも、何かとんでもないものを見せてくれるワクワクは8チャンネルにあった。
そんなフジも最近は元気がなく、というよりテレビ界全体がコンプライアンスという時代のモンスターに蹂躙されていて、かつてのエキサイティングな8チャンネルは見る影もないのは残念なところ。
フジは地デジ化の際にチャンネル配列が最後尾になってしまったせいで視聴率が下がった、という行動心理学の論にも一理あるとは思うんだけどな。以前よりテレ東とか見るようになったし。
最近のおいらは、NetflixやHuluで海外ドラマや映画を見るのにも飽いて、「FOD(フジテレビオンデマンド)」で、かつての黄金時代のテレビドラマを楽しんでる。
- 古畑任三郎シリーズ
- できちゃった結婚
- 王様のレストラン
- 愛という名のもとに
- 救命病棟24時
- 白い巨塔
- ビーチボーイズ
- 愛しあってるかい!
- この世の果て
などなど。
深いテーマの重厚なドラマだけでなく、ぴちぴちのトレンディドラマも、どうしようもなくおバカなコメディも大好きだけど、三谷幸喜作品は今見ても胸が熱いわ(野島伸司ドラマについては別のところに書いた)。
「古畑任三郎」シリーズはスペシャルも含めて全作何度も見ていたけど、「王様のレストラン」との再会は十数年ぶりで、三谷劇場にたっぷり笑わせてもらいつつ、若い頃とは違う感慨を覚えてしみじみしてしまった。
いろんな人のお世話になったり、影響を受けたり、助けられて生きてきたおいらだけれど、ドラマの登場人物にもまた同じように、いろんな道しるべをもらっていたのだなあと、おセンチな気分になったりしちゃったりして。
「王様のレストラン」で松本幸四郎が演じたギャルソン・千石さんには、自分の道をまっすぐに突き進む男の強さとやさしさ、父性を学び、包まれた。
「高校教師(TBSだけど)」で桜井幸子が演じた女子高生・繭とは、心の裡で同じ痛みを分け合えたような気がしていた。「愛という名のもとに」では大人になるというのは痛みを伴うのだと知った。「できちゃった結婚」の竹野内豊には、チャラい男の潔いカッコよさを学んだつもりだったのだけれど、その後自分ができちゃった結婚したときには、彼のように男らしく立ち回れなくて苦笑したもんだ。
映画や小説と比べても、テレビドラマほど時代の世相をクリアに見せてくれる表現はないのではないか。それと同時に、アラフォーくらいになってくると、その時代に自分が何をしていて、どういうところに立っていたのか、という〈歩んできた道〉が回顧されて、それはそれで胸が熱くなる。
他にも「北の国から」シリーズ、「ニューヨーク恋物語」「101回目のプロポーズ」「ひとつ屋根の下」など、往年の名作ドラマが数多く揃っているので、古き良きテレビドラマを味わってみたい人には、FODオススメでっせ。
▲ 上戸彩ちゃん!
※ 残念ながらキムタクドラマはないので「ロンバケ」はAmazonで買ったよー。