都内に出るときは、とりあえず新橋で降りる。
そして、とりあえず「ほりうち」か「博多天神」でラーメンを啜る。
なんだけど、ちょっと飽きたので、今日は「岡山中華そば 後楽本舗」に寄ってみる。
この店は、さっと入ってさっと食べてさっと出る、立ち食い蕎麦みたいな日常の味。
朝の七時までやってる、働きマンたちの味方。
煮干し系や家系のパンチはたまにでいいけど、ここは味噌汁みたいに毎日食べたくなる。
店の雰囲気も店のおばちゃんも、昭和の雰囲気。
サービス過剰でない本音の接客が心地よい。
仮面みたいな笑顔を貼りつけた高級なサービスより、ちゃきちゃき客をさばいていくおばちゃんに安堵する。
スーツ姿のサラリーマンが忙しなくラーメンを啜って、颯爽と町に出ていくのを眺める。
若くて綺麗な女性のおひとり様も多い。
気を遣わない店。
ネギに埋もれて、麺も具も見えない。
インスタ映えない。
とてもおいしいけど、驚かない味。
作為のない、やさしい味。
子どもの頃家で食べたラーメンみたいに、安心する味。
シャキシャキのネギをレンゲですくって執拗に口にはこぶ。
とまらない。
もうすこしのんびりしていたいけど、そんな店じゃないので、さっさと食べて、さっさと出る。