ひさーしぶりに映画『タイタニック』を見てました。
貧乏な絵描き志望のジャックと、自由を求める貴族階級のローズの身分違いの恋愛海物語。
船から落ちそうになったローズを助けたことがきっかけで、一等船室のお金持ちのディナーに招かれたジャック。
キャシー・ベイツ演じる成り上がりの粋なおばはんは、スーツを貸してくれたりマナーを教えてくれたり、よくしてくれるんだけど、ローズのママやフィアンセはあからさまにマウンティングしてくる。
行く先々で仕事を見つけながら放浪して暮らす宿無しのジャックに(今の時代なら逆にカッコいい笑)、
ローズママ、マネキンみたいな目で片眉を上げながら、
「そんな根無し草暮らしに満足なの?」
ディカプリオ、じゃなくてジャック、さらりと、けれど強い意志のある瞳で、
「満足です。必要なものは揃ってます」
飾ることなく、悠々とつづける。
「健康な身体に、スケッチブック。
朝、目を覚ますと、また未知の一日が始まる。
橋の下で眠る夜もあれば、世界一の豪華客船であなたたちのような素敵な人たちとシャンパンを飲むこともある。
人生は贈り物。ムダにはしたくない。
どんなカードが配られても、それも人生。
毎日を大切に。今を大切に」
はじめはテーブルマナーなど気にしていたが、やがて居直ったように自由に振る舞うジャック。
パンをかじり、ワインをおかわりし、マッチを投げる。
拍手喝采。
Well, yes, ma’am, I do… I mean, I got everything I need right here with me.
I got air in my lungs, a few blank sheets of paper.
I mean, I love waking up in the morning not knowing what’s gonna happen or, who I’m gonna meet, where I’m gonna wind up.
Just the other night I was sleeping under a bridge and now here I am on the grandest ship in the world having champagne with you fine people.
I figure life’s a gift and I don’t intend on wasting it.
You don’t know what hand you’re gonna get dealt next. You learn to take life as it comes at you… to make each day count.
仏教の教訓のような示唆に富んだセリフ。
すでに必要なものは持っている。
人生なんて何が起こるかわからない。
そもそも生きてることがプレゼント。
どんなことが起きたって、それが人生。
だから一日を大切に。今を大切に。
物語前半で、ディカプリオをドーンと魅力的に爆発させて観客の心を掴む名シーン。
偉ぶることなく、戦うことなく、上に立とうとせず、堂々と、悠々と、淡々と語るジャックは、そこにいる誰よりも凜々しい。
そりゃ、惚れてまうやろ。
ホントに、ねえ。
どんなカードが配られても。