前回☞ そうか、伏見稲荷に行きたかったのかオレは。〈京へ西へ。その六〉
まだ京都二日目の午前中だってのに、もう〈その七〉かよこの旅行記。終わるのか笑。
伏見稲荷ね。千本鳥居って言うんだっけ?よくテレビとかでもやってる。鳥居がずらーっとつづく、朱色の世界、まさに京都、ジャパニーズワオ!っていう。
過日、Appleのティム・クックも訪れたんだってね。その後、星野源ちゃんと居酒屋で吞んだとか。
もうココは、映え(バエ)、だよね。映え、しかない。
なんとなく、ココでは霊的なインスピレーションだとか、内面を見つめるだとか、そんなんはない気がしたわ、はじめから。
でも、まず、駅降りて、商店街みたいなところ歩いて、ふわっと空間が広がって、参道につづく道が見えたとき、ああ、ここええわあ、って、すっと、思ったね。
理屈じゃないの。まだ境内も鳥居も見えないんだけど、そこの空気、空間、外国人観光客がたくさんいて、土産物屋、食べ物屋が並んでて、っていう、この場が、そこにいる自分が、ああ、心地よい……。
なんともない、こういう旅情が、たまんないね。
そんで、ふしぎな既視感があるなあと思ったら、家にあるキツネのお面が店頭に並んでたの。
娘が修学旅行で買ってきたお面と同じやつ。
家で見たときは、なんでこんなもの買ってきたんだろう?って思ったんだけど、遠く京の地、しかもこんな街並みの中で目にしたら、なんだか感傷的になっちゃってね、まだ二日目なのに、無性に娘に会いたくなっちゃって笑。
そんな風で歩いててね、おいなりさんとか、雀の焼いたのとか、ウズラもあったかな?食べ物屋さんが並んでてけっこう混んでてさ。うまそうだったし興味をそそられたけど、腹も減ってなかったしスルーした。
で、ココは映えな場所なので、Insta360 ONE Xっていう360度動画撮影できるカメラを専用の自撮り棒につけて、ひたすら鳥居をくぐって登りました。
ちょっとだけ説明しておくと、Insta360ってのは、360度撮影しておいて、後から、MacやiPadなんかで、カメラワークを編集できるのね。
わかるかな。GoProとかだと、撮影してるときに、どこを撮ってるか、画角とか考えなきゃいけないけど、コレだと、ただ撮って、後で考えればいい。
自撮り棒の先につけて、歩いて、編集するときに、前方の映像を残してもいいし、自分でもいいし、横でも下でも上でも、自由自在。カメラワークを動かしたり、遠近調整したりできるから、最近はテレビでも使われ始めてるね。
まあゴタクより動画見れば早いんだけど、まだアップしてないから、動画のキャプチャでも。
ひとことで言えば、究極のセルフィ、自撮りカメラですよ。自意識の奴隷のオレにピッタリ!やかましいわ!
あとココ、オレの好きな『駆込み女と駆出し男』で、大泉洋と武田真治が話すシーンのロケに使われた場所があって、なんかスゴく情緒があって、濡れててね、いい感じの画で印象に残ってたんだけど。
☞ 『駆込み女と駆出し男』感想&レビュー!素晴らしすぎてかなわない大傑作!
頂上まで数時間かかるってことで、行けたら行こうと思ってたけど、やっぱり途中で疲れて断念。吉岡里帆ちゃんだって、好きだけど登頂したことないって言ってたもんね、たしか。
三ツ辻というところで、下りの道があったのでそっちへ流れてトコトコと。
帰りに猫ちゃんがいてね。見たらお店で餌あげて外飼いしてるらしくて、店内や周辺を悠悠と歩きまわられる猫様たちよ。
オレ、どこへ行っても、猫を見つけたらいつのまに話しかけてるって気づいたわ。自分で笑った。何してんの?そこいんの?って赤ちゃんに話すみたいに、まわりも憚らず。オレもすくすくおじいちゃんになってるなあ笑。
で、降りて、休憩所があったので、水飲んで、ちょっと休んで、大きな荷物の隣で眠りこけてる女性の素性や物語を勝手に空想して、旅先で創作意欲なんてちょびっと刺激されたりして。
あらためてガイドブックとGoogleマップを眺めてたら、お目当ての雲龍院まで歩いてすぐだぞということで、お稲荷さんを後にしたのでありました。つづく。
☞ 東福寺の紅葉とシフォンケーキと後ろの景色〈京へ西へ。その八〉