「みなさんは『まこ(比江島)そんな出来るんだ』と思ってるかもしれないですけど、あれが本来の比江島慎だとずっと信じていたんで。やっと本来の比江島慎がここへ来て出た感じです。(中略)ほんとに彼がああいう自信を持ってプレーしたときって、ほんとに世界でも止めれる人少ないと思うんで。いつもやってくれ、まこ(笑い)!」
八月の後半は、娘たちと水族館や映画、プールなどで遊び、陽焼けしてくたくたになりながらも、眩しい日々を過ごした。
そんな夏の宵、冷たいビールを飲んで、ここちよい気怠さを感じながら、バスケットボールのW杯を眺めていた。
前半を観て、今日はムリかなあと、毎週観ている〈ハヤブサ消防団〉にチャンネルを替えるところだった。
でも、後半まさかの大逆転。それぞれが躍動したけど、NBAで活躍する渡邊雄太が試合後のインタビューで語ったように、ベネズエラ戦勝利の立役者は比江島慎だった。
──あれが本来の比江島慎だと。
──彼がああいう自信を持ってプレーしたときって、ほんとに世界でも止めれる人少ないと思うんで。
キャプテン富樫も同じようなことを言っていた──もっとできる男だと。
もちろん彼は自信を持ってプレーしていないわけじゃない。
でも彼には、もっとできる──ブレイクスルーする余地、余白、まだ残っているエナジー──があった、ということだ。
僕もよく感じる機会があるけど、他人はその人の本来の能力や魅力を見抜いているのに、本人だけがそれを信じられず、よく理解せず、真の実力を発揮できない──というケースが多々ある。
ありのままの姿見せるのよ──エルサが自分の能力を活かせなかったのは、それを信じられなかったから、わかんなかったんだよね。
一方、若手のカワムラユウキやトミナガケイセイの瞳には、炎のような輝き──自信の眩しさが見える。
大谷翔平や井上尚弥、昨今の世界トップレベルで活躍するスポーツ選手みんなの瞳に輝く、あの光だ。
比江島慎には経験と類い希な、人と違うスキルがある──そんな彼が若手のあいつらと同じように自信の炎を燃やしたら、ああいう結果になるのは必然だ。
これはスポーツだけの話じゃない──僕やあなたの話だ。
すべての人間は、ただ理由なく信じることで、やる気や能力や歓びといったエナジーが増幅し、溢れ、発揮できるようになっている。
人間には、幸福で眩しい人生を生きるため、エナジーが発揮される七つの場所と要素があると言われている
古代の人々はそれをチャクラと呼んだが、含まれる意味が広大で深遠になりすぎるので、僕はエナジーのエレメンツ(要素)なんて呼んでる。
ブレイクスルー(限界を突破)するということは、そのエレメンツのフタを外すこと、ブレーキをはなすこと、内にあって出口を探しているエナジーを開放することだ。
ちなみに開放されずにいつまでも閉じこめられたエナジーは、モヤモヤ〜鬱屈〜鬱滞と変容し、そして鬱へと下っていく。閉じこめられたエナジーは腐り、自らを傷つける。
自信──、とは。
ひとことで言えば、──持ってる、だ。
おれは、わたしは、持ってる──ただ、意味もなく、理由もなく、信じるだけで、開くドアがある。
そのドアから、それまで閉じこめられていた、鬱屈していた、燻っていた、実力が、才能が、素養が、魅力が、エナジーが、ようやく世に放たれる。
その扉、窓、入口がたくさん開いて、たくさんのエナジーが溢れると、輝きを放つ。たくさんたくさんのエナジーを出せば出すほど、その人は輝く──それが、スターだ。
誰もが、エナジーの扉を持っている。それを、開ける鍵は、信じること、自信──そう、僕もあなたも、持ってるのだから。