僕はディズニーピクサーやスタジオジブリなどのファミリー向けアニメ映画の大ファンだけど、いちばん好きな作品は『カンフーパンダ』シリーズだ。
制作はピクサーの最大のライバル、スピルバーグ率いるドリームワークス。
魅力的なキャラクターやよく練られたストーリーも素晴らしいけど、CG技術や映像表現のクオリティが途轍もなく、実写顔負けのアクションシーンやピクサーにはないシリアスで重厚な演出が多いのも見どころだ。
3Dで制作された『カンフーパンダ2』を劇場で鑑賞しなかったことは、人生の最大の失敗のひとつとして深く心に刻まれている。
僕がいつも唸らされてしまうのは、主人公のパンダ・ポーがドラゴンの戦士として成長していく過程で学ぶ名言の数々だ。
アニメ映画だと侮るなかれ。僕らの人生をハッピーで豊かにしてくれる珠玉の言葉たちを紹介しよう。
「君は「これまで」と「これから」を心配しすぎなんです。言うでしょう?昨日とは過去のもの、明日とは未知のもの、今日の日はもうけもの。それは天の贈り物。」
人間が抱える苦悩のほとんどは、過去への執着と未来への不安だ。でもいくら悔やんでも終わったことは変わらないし、いくら心配しても明日何が起こるのかなんて誰にもわからない。
はっきりしているのは、「今日」という日に、僕らが何をするのか、それだけだ。
「過去」は「今」を導く指標であり、「未来」は「今」の積み重ねである。大切なのは今日という日。
やりたいことは、今始めよう。人生を笑ってすごしたいなら、今笑ってください。
原文では、英語で「現在」のことを「プレゼント」と呼ぶことにひっかけて「今日という日はギフト。だからそれをプレゼントって呼ぶんだよ」という粋な言い回しになっている。
元はアリス・モース・アールというアメリカの歴史家の言葉だそうだが、ルーズベルト大統領夫人の手紙の言葉だという説もあるようだ。
” You are too concerned with what was and what will be. There is a saying, Yesterday is History.Tomorrow is a Mystery, but Today is a Gift. That is why it is called the PRESENT.”
「想念とはこの水鏡と同じ。波立てば見ることは難しい。だが静まれば答えは自ずと出る。」
冷静になって問題の本質と目的を見極めれば、自ずと向かうべき方向は見えてくる。
仕事のこと、学校のこと、家庭のこと、友人のこと、お金のこと、将来のこと、なんであっても、それらはどうあるべきなのか、自分はそこで何をしたいのかを明確にすれば、迷いは消えてやるべきことが見えると、最近僕も実感している。
“Your mind is like this water, my friend.When it is agitated, it becomes difficult to see. But if you allow it to settle, the answer becomes clear.”
「秘密の材料なんてないんだ。特別にするには、特別だと信じるだけ。」
これまで明かされなかった秘密の材料がじつはなかったということにポーは驚くが、カンフーの奥義が記された竜の巻物を見て、その真意を理解する。
選ばれし竜の戦士のみが見ることを許された巻物には、何も書かれていなかった。見えるのは鏡のような金箔に映る自分自身の姿のみ。
奥義とは、自分自身を信じること。
根拠なく、特別だと思うことだった。
本田圭佑やイチローをはじめとして、潜在意識の力を発揮している著名人はたくさんいる。
僕らは根拠なく自分を信じることで、ふだん発揮できていないリザーブタンクの90%の潜在能力を発揮できることは、歴史的にも証明されている。
“To make something special, you just believe it’s special.”
「あらがうことなく、流れのままに」
哀しい過去や自分の欠点に立ち向かうのではなく、それを受けて、流して、解き放つことで、人は前を向くことができる。
子どもの頃いじめられたり、仕事や受験で大失敗をしたり、つらい失恋を経験したりといった過去のトラウマは、今のあなたには関係ない。
無理して欠点を克服する必要はない。
自分にできないことがあるように、自分にしかできないことだってある。
ポーは言う。
「君も過去のことは忘れちゃえ。だってどうでもいいんだから。大事なのは自分が、今どうなりたいかだろ。」
“Stop fighting. Let it flow.”
“You got to let go of the stuff from past, because it just doesn’t matter. The only thing that matters is what you choose to be now.”
頑張るよりも、楽しんだ者勝ち。
数々の教訓めいた名言もさることながら、カンフーパンダを観るといつも元気が出るのは、主人公のポーが底抜けに明るいからだろう。
間抜けで大食らいのデブパンダは、凹んだり泣いたりすることもあるけど、くよくよしないでよく笑う。
いつでも頼もしい鉄人系のスーパーヒーローじゃないからこそ、彼に自分の弱さや気持ちを投影して、明日からも人生を楽しもう、という前向きな力がふつふつと沸いてくるのだ。
僕は最近、お腹まわりだけカンフーパンダになってきているのが悩みのタネなんだけど。
れお
2023/04/22 — 12:00
最近カンフーパンダを観て、もっと早く観ればよかったなんて思いながら、検索してたらこの記事に辿り着きました。素敵なblogを残してくれてありがとう。偶然などありませんよね